...定子までも犠牲にして倉地をその妻子から切り放そうなどいうたくらみはあまりにばからしい取り越し苦労であるのを思わせられた...
有島武郎 「或る女」
...いらざる取り越し苦労ばかりすると思うかもしれんが...
有島武郎 「親子」
...取り越し苦労をするのは馬鹿者のすることだと決め...
海野十三 「地底戦車の怪人」
...取り越し苦労したとこでしョうないようなもんの...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...そうした時の始末が取り越し苦労の種にはなりうるであろう...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...杞人(きひと)の憂(うれ)いとはちょうどこういう取り越し苦労をさしていうものであろうと思われる...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...こんなにいろいろ取り越し苦労をしている...
永井隆 「この子を残して」
...年寄の取り越し苦労にやつれておりますわい...
本庄陸男 「石狩川」
...念をおさうなんていふ取り越し苦労は露ほども覚えなかつた...
牧野信一 「滝のある村」
...そんな取り越し苦労ばかりしてゐるんだよ...
牧野信一 「露路の友」
...まったく取り越し苦労でなさそうなんでございますから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...すべては自分の取り越し苦労であるとしいて思おうとも中納言はしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あとの策に当惑するのだ」「何の取り越し苦労を...
吉川英治 「私本太平記」
...われらが取り越し苦労にはおよびますまい」直義も近ごろそれは信じている...
吉川英治 「私本太平記」
...取り越し苦労はわすれていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...それを前途の障碍(しょうがい)として取り越し苦労に病んでいる秀吉でもなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...親方の梅軒に罵(ののし)られはしないかと恐れていたことも取り越し苦労に過ぎない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そのほうにはなんの取り越し苦労もしていないが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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