...私は取る物も取りあえず...
芥川龍之介 「秋山図」
...警官は何名向けてありますか?」「取りあえず五名向かわしました」「五名?」と検事は顔を顰(しか)めて...
大阪圭吉 「三狂人」
...取る物も取りあえずにこうして伺ったわけなんですよ」「御苦労さまでしたね」「早速御注進と出かけて見れば...
中里介山 「大菩薩峠」
...道庵は取るものも取りあえず...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...取りあえずこれらの土地が下附されているという...
本庄陸男 「石狩川」
...そこだけの一廊(かく)を取りあえず伐木して...
本庄陸男 「石狩川」
...取りあえず、駿河守、衣類をあらためて待つところへ、馬上で乗りつけて来た、添田大目付――清廉剛直(せいれんごうちょく)な性(たち)で、まだ三十を幾つも越さず、この大役をうけたまわっている人物、出迎えの土部父子に軽く会釈(えしゃく)をすると、「役儀なれば、上席御免、且(かつ)、言葉をあらためますぞ」と、むずと、上座に押し直ると、白扇を膝に、父子を見下ろして、「土部駿河守、父三斎、隠居の身を以ってお政治向に口入(くにゅう)、よろず我儘(わがまま)のふるまいなきに非ざる趣(おもむき)、上聞を達し、屹度(きっと)、おとがめもあるべきところ、永年御懇旨の思召しもあり、駿河守の役儀召上げ、甲府勤番仰せつけらるることと相成った...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...有合せのものだけを取りあえず持参いたしましたが……(懐中より幾束もの書類を取出す)隊一 出せ!(それを取って...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...そこで取りあえず九大の看護婦寄宿舎の名簿を引っくり返してみたら...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...取りあえず冷(ひや)のまま茶碗を添えて皆の前に出した...
夢野久作 「斜坑」
...十一時の列車にて取りあえず大阪に急行した...
夢野久作 「少女地獄」
...取りあえず僕に引渡したんですが...
夢野久作 「焦点を合せる」
...取りあえず月江に代って一同へ喪(も)をのべ...
吉川英治 「江戸三国志」
...どう崩れたのだ」「水関(しすいかん)に逃げ帰っています」「関を出るなと命じろ」「取りあえず...
吉川英治 「三国志」
...中宮はとるものも取りあえず...
吉川英治 「私本太平記」
...取りあえず左右の者の功を賞したのも...
吉川英治 「新書太閤記」
...取る物も取りあえず...
吉川英治 「新書太閤記」
...取るものも取りあえず...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索