...私は取る物も取りあえず...
芥川龍之介 「秋山図」
...取りあえず、スースーと歯をすすって、ニヤニヤと笑いかけて、何か令嬢お身の上に就いて、下聴(したぎき)をするのが、御賛成なかったとか申すことでごわりましたな...
泉鏡花 「婦系図」
...取りあえず会員中の誤解をとくことが急務であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...取りあえず死体はそっと係員室の奥に隠し...
大坪砂男 「浴槽」
...取りあえず六日の晩に...
谷崎潤一郎 「細雪」
...取りあえず一つの資料として引いておくのだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...取る物も取りあえずにこうして伺ったわけなんですよ」「御苦労さまでしたね」「早速御注進と出かけて見れば...
中里介山 「大菩薩峠」
...運動だけは取りあえずやる事に取り極(き)めた...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...また取りあえずの所書きももらって置きたい...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...取りあえず委員会用に...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...取るものも取りあえず上京して目黒の精神病院を訪問してみますと……又もシインとするほど脅(おびや)かされたのでした...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...それは取りあえず貴方様の御決心には拘わりのないこと……悪い事は申しません...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...私は取りあえず凱歌を揚げた...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...記者は取りあえずガッカリしたが...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...取りあえずそう命令した...
吉川英治 「三国志」
...取るものも取りあえず帰ってみると...
吉川英治 「三国志」
...天堂一角の通知があったので、取りあえず、この春の道者船(どうじゃぶね)はさし止(と)めたが、あのように、頻繁(ひんぱん)な船入(ふない)りのあるうちには、どんな者が、どう巧みに入りこまぬ限りもない……」今まで懸命に、意志を支えていたものが、グラグラと揺れだして、極度に、重喜の壮図(そうと)をおびやかしてきた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...取りあえず大急ぎでその邸まで来いという先方の答を伝えた...
和辻哲郎 「鎖国」
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