...私は取るものも取りあえず...
江戸川乱歩 「鏡地獄」
...それでは院長が出られたのかなと思いながら取りあえず木戸の方へ歩いて行った...
大阪圭吉 「三狂人」
...しかし取りあえず自分の感じたことだけを後日の参考としてここにしるしておくのも必ずしも無用のわざではあるまいと考える...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...一つの隣組の生き残った者が何人か隣組の防空ごうに集まって取りあえず死体の整理と負傷者の手当てを行なった...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...取りあえずそのほうを呼びにやったのだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...番所からは取るものも取りあえず用船を出して取調べた上...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...取りあえずお座敷女中を働くことになった...
細井和喜蔵 「女給」
...取りあえず本席はそれを祝って...
本庄陸男 「石狩川」
...取る物も取りあえず久しぶりで東京に出て來たとのことであツたが...
三島霜川 「昔の女」
...その人が取りあえず注射して...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...有合せのものだけを取りあえず持参いたしましたが……(懐中より幾束もの書類を取出す)隊一 出せ!(それを取って...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...けれども取りあえず縁側に頭をスリ付けた...
夢野久作 「怪青年モセイ」
...取るものも取りあえず上京して目黒の精神病院を訪問してみますと……又もシインとするほど脅(おびや)かされたのでした...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...それは取りあえず貴方様の御決心には拘わりのないこと……悪い事は申しません...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...とるものも取りあえず...
吉川英治 「新書太閤記」
...「取りあえず、村上次郎右(じろうう)、溝口金右(みぞぐちきんう)の両名に、兵三千人をそえ、お供を申しつけおきましたゆえ、御軍勢の端にお加え下さるように」すると利家は、好意は謝したが、従軍は断わった...
吉川英治 「新書太閤記」
...天堂一角の通知があったので、取りあえず、この春の道者船(どうじゃぶね)はさし止(と)めたが、あのように、頻繁(ひんぱん)な船入(ふない)りのあるうちには、どんな者が、どう巧みに入りこまぬ限りもない……」今まで懸命に、意志を支えていたものが、グラグラと揺れだして、極度に、重喜の壮図(そうと)をおびやかしてきた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...取りあえずお知らせする...
吉川英治 「源頼朝」
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