...看護婦一人病室へ入り來り、患者の眠り居るを見、毛布などを直したる後、又室外へ去る...
小穴隆一 「二つの繪」
...必ずこれに傷をつけて全く逃げ去ることのできぬだけに弱らせておき...
丘浅次郎 「生物学より見たる教育」
...詩人が農場の最も価値ある部分をたのしんだのちに立ち去るのを見たことがある――頑固な農夫は彼が二つ三つの野生の林檎を取ったのだとばかり思いこんでいるが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...アカデミックな立場から批評してそのきずだけを指摘すればこれを葬り去るのは赤子の手をねじ上げるよりも容易である...
寺田寅彦 「時事雑感」
... 155奪ひ去るべく...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...恥を包み愧(はじ)を忍ぶといえどもその心中報復の念いまだ一日も去るあたわず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...走り去るのである...
外村繁 「打出の小槌」
...以前コゼットが住んでいた街区を去るに忍びなかったのである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...こんもりと揺(ゆ)れて去る...
夏目漱石 「虞美人草」
...遊女(つとめ)あがりの去る女(ひと)が申き...
樋口一葉 「たけくらべ」
...既に買入れたのが持腐れとなって居るからである著者は去る八月中...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...次第に遠く遠く馳(は)せ去るのであろう...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...米谷(まいや)どのに御意見があるでしょう」六左衛門がたち去るとき...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...奥のほうへ去るそのうしろ姿を...
山本周五郎 「山彦乙女」
...来る衆は、拒まず去る衆は、追わずとしている雑多な男女の教団なので、自然、偽装した官辺の手先なども、紛(まぎ)れこむのはぜひがない...
吉川英治 「私本太平記」
...表方へ触れておけ」「はいッ」市松が駈け去ると...
吉川英治 「新書太閤記」
...近いうちに」といって去る魯智深の後ろ姿を見送って...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ほかへ立ち去ることにいたします」「寔(まこと)に……申(もう)し難(にく)いのでございますが」「いえいえ...
吉川英治 「源頼朝」
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