...しかし厳密に考へれば...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...今ここで厳密に申上げる事は出来ないですが...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...公平に厳密に門下生を品隲(ひんしつ)する必要があった...
高浜虚子 「子規居士と余」
...余白といえば、私の生活は余白的だ、厳密にいえば、それは埋草にも値しないらしい...
種田山頭火 「私の生活(二)」
...またそれにおいて後続するものが先行するものと厳密に関聯しないような何物もまったく含まないゆえに...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...あれも厳密に言えば弦も楽器全体も弓も演奏者の手もおよそ引っくるめた一つの系統として考えるほうがほんとうだと自分には思われる...
寺田寅彦 「「手首」の問題」
...それ故実在は厳密に数学的な概念によってのみ理解し得るであろう...
戸坂潤 「カントと現代の科学」
...厳密にいえば、そしてどうしてもそうだとしたければ、単に左と右とについても次のような種々のいい方は皆隠語である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...以上、奈良朝においては後世の「え」「き」「け」以下十三の仮名、およびその濁音である七つの仮名の一つ一つに相当する万葉仮名がおのおの二つの類に分れて、語によって、そのいずれの類を用いるかがきまっていて互いに混同しないといったのであるが、しかし、厳密に言えば、このきまりには一つの例外もないのではなく、多少の例外は存する...
橋本進吉 「国語音韻の変遷」
...厳密にいったなら美人ではなかったかも知れないが...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...「上陸禁止にでもなっているのか、そうでなかったら、今日でも明日(あす)でも病院へ行けるじゃないか、だが何だって、お前はそんなところに立ちふさがってるんだい」船長は、暴化(しけ)の時に、夜中、深海測定をやるのと同様に、厳密に、幾度も幾度もストキの長さを、全く腹が立って頭の熱くなるほどの、熱心さと冷静さとで測定した...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...われわれは科学でのもっとも厳密に正確なものの変則を...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...厳密に農業主義を維持している国民は...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...噂は社会的なものであるにしても、厳密にいうと、社会のものでもない...
三木清 「人生論ノート」
...元禄の当代人には、厳密にいって、たれにも分っていないらしい...
吉川英治 「大岡越前」
...厳密に過ぎ峻酷(しゅんこく)に過ぎる傾きのあることである...
吉川英治 「三国志」
...この際我々の感ずるものが厳密に我々自身の感じであることを忘れてはならない...
和辻哲郎 「「自然」を深めよ」
...ところでこの種の運動は「能」の動作において最も厳密に切り捨てられたものであった...
和辻哲郎 「文楽座の人形芝居」
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