...今までよりいっそう深く厳かなおもむきを帯びてきた...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...広い廊下に向って開いた部屋は、厳かな位簡単で、天井は暗色の杉、至る所に使った自然のままの材木、この上なく清潔な畳、床の一隅にきちんとつみ上げた若干の書籍、それから必ずある炭火を入れた箱、簡単な絵の少数が、この部屋の家具と装飾とを完成していた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...厳かな役人達の恭々しい態度には興味を覚えた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...柱などを巻いた布が黒白のだんだらになっているところを見ると何かしら厳かな儀式でもあるように思われる...
寺田寅彦 「ある日の経験」
...なんとも言えない厳かな...
中里介山 「大菩薩峠」
...いとも高度な喜びの約束なしには何物も私を停めないやう厳かな隠遁よと...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...それが実生活の厳かな部分を冒(おか)すようになったのは...
夏目漱石 「門」
...端午の節句には三人の人手をかりて厳かな凧上げ式を挙行したものである...
牧野信一 「鱗雲」
...何といふ厳かなお姫様の御入来であらうよ...
牧野信一 「武者窓日記」
...サアシヤが可愛いの?」「あゝ」あの人は厳かな態度を粧はうとする...
水野仙子 「脱殼」
...あの人の厳かな構へを破る方法でゝもあるかのやうに...
水野仙子 「脱殼」
...厳かな死の手に、かすかに残った生のはげしく争う辛いはかない努力もしず、すなおにスンなりとその手に抱かれた――抱かれる事の出来たのは動かせない幸福な事である...
宮本百合子 「悲しめる心」
...厳かな声で次の如く叫んだかと思ふと忽然彼の姿は見えずなつた...
村山槐多 「殺人行者」
...」「水につかることが厳かな御式なら...
室生犀星 「花桐」
...どこでも日を定めて厳かな祭が行われるのであった...
森鴎外 「魚玄機」
...(b)あの厳かなアレオパゴス法院は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...卑怯なまねはなされまいぞ、其許(そこもと)も、江戸の名捕手(めいとりて)塙大先輩ともいわれる人物のご子息ではないか」凛(りん)として、厳かなことばが、郁次郎の動作を、ぴたっと抑えた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...厳かな手つきで、あくまで荘重に、粗大な衣布の襞(ひだ)を掻き上げ、胸へとって肩からうしろへ投げかける...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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