...卑小な狡さをときに応じて発揮しろなどということを奨めるのはもってのほかであった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...人間の能力の最小限に生きる低い卑小なレベルに引きさげられる...
高見順 「如何なる星の下に」
...どうかすると卑小な見えのようなものも混ざって...
徳田秋声 「仮装人物」
...自分の卑小な仕事が省みられた...
徳田秋聲 「草いきれ」
...こんな教育方針が矮小で卑小なものであることは明らかなのだが...
戸坂潤 「思想動員論」
...この関係が卑小な色々の興味と結び付いて展開すると...
戸坂潤 「思想としての文学」
...さぞかしわたしの卑小な虚栄心と浅薄な気持ちを軽蔑することだろう...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...皆卑小な浅薄な小怜悧なものか...
豊島与志雄 「偶像に就ての雑感」
...人を卑小ならしむる情は皆恥ずべきかな...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...實際の結果が豫想より良かつた時にホツとして卑小な嬉しさを感じようといふ...
中島敦 「かめれおん日記」
...自分は――尊大なるべき俺の自尊心は――何と卑小な喜びにくすぐられたことだろう! 実際...
中島敦 「狼疾記」
...俺を悲運に沈湎(ちんめん)させた卑小な気質に報復するのに...
久生十蘭 「湖畔」
...壮麗な宇宙と卑小な生命に戦く恐怖と憧憬の歌に源くのみであつた...
牧野信一 「真夏の夜の夢」
...あくどい笑ひに対してよく云はれる「くすぐり」と云ふやうな卑小な世界のものではなかつた...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...決して卑劣卑小な動機から行動して失敗したりすることはあり得ない人物と思われているとする...
宮本百合子 「女の歴史」
...謂わば卑小な時代に泥まみれとなった雄大な野望的精神のあらわれとしてのバルザックは描けませんでした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...モンテーニュは人間の卑小な面だけしか見ず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そんな卑小な理由で...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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