...その中をまるで卍のやうに...
芥川龍之介 「地獄變」
...「この煙とも霧とも靄(もや)とも分らない卍巴(まんじともえ)の中に...
泉鏡花 「薄紅梅」
...ただ卍巴(まんじともえ)に降る雪の中を倒(さかし)に歩行(ある)く風情になる...
泉鏡花 「怨霊借用」
...卍巴(まんじともえ)となって歩き廻るのだ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...「卍」以後は制作の態度に時々の違ひはあつても...
谷崎潤一郎 「「細雪」回顧」
...卍(まんじ)地獄「こちら様に――百城様...
直木三十五 「南国太平記」
...卍巴(まんじともえ)と降る雪を刎(は)ね返してサッサと濶歩しましたけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...嵐は卍(まんじ)に吹きすさむ...
夏目漱石 「二百十日」
...部屋の壁に卍を描きちらしてこれは幸運の表象だなどと口走り...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...公共建物のすべての屋根に気味わるい卍(マンジ)の旗がひるがえることになった...
宮本百合子 「明日の知性」
...谷崎潤一郎氏の中篇小説「愛すればこそ」「卍(まんじ)」も非常の歓迎を受けた...
山本実彦 「十五年」
...頭(かしら)には黒紗(くろしゃ)の卍頭巾(まんじずきん)...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ばッと格闘の卍(まんじ)がおこる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...両の手の二丁斧を卍形(まんじがた)に持って...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ぜひ卍丸はその時刻に纜(ともづな)を解かねばならぬ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...卍(まんじ)丸は徐々(じょじょ)と川口へ向って辷(すべ)りだしてくる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...その丘の上から卍丸の船影を見下ろしていた武士がある...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...卍くずしの勾欄はこの建築の特異な印象の原因であるが...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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