...義雄はいつも沈思瞑想する時のやうに目を半眼に開らき...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...半眼(はんがん)になりて...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...半眼を開いて、照準をじっと覘(ねら)う...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...病室に歸つて見ると文太郎は前と同じく口も開け眼も半眼に開けたまゝ熟睡してゐた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...ふと見ると文太郎は又半眼に瞑つた儘再び眠りに落ちたやうであつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...―――半眼に閉じた眼を纔(わず)かに開けることさえもせず...
谷崎潤一郎 「客ぎらい」
...眼を半眼に、首を伸ばして見せる平次です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...眼を半眼に開き、舌を出してゐた、と、宿のものに聞いたが、富岡はかいぼうにまはされたおせいの死体は見る事なく終つた...
林芙美子 「浮雲」
...瞼はいつも半眼といった具合に重そうに垂れ下がり...
久生十蘭 「魔都」
...眼を半眼(はんがん)にして...
三島霜川 「平民の娘」
...これを辯證法づけるには、猫の妙術の解説に亙らざるを得ないからやめておくが、とにかく、人間と、同書曰ふところの、五典の猫の五段めに位するほどな古猫ともなれば、半眼の月眸、よく宇宙の輪行を觀、つねに眠るがごとくにして、よく政治を察し、人心のうごきを知り、世潮の變に處して煩ふなく、いはんや、うつばりの鼠などは、コソとも音をたてなくなり、その居るところの四隣には、つひに鼠穴もあとを絶つてしまふ――といふのが、猫中最上位の猫、つまり五段の猫といふことになつてゐる...
吉川英治 「折々の記」
...底光りのする眸を濃い眉毛の下に欝陶(うっとう)しそうに半眼に塞(ふさ)いでいるといった風だ...
吉川英治 「篝火の女」
...――が今、それと知っても、莚(むしろ)の上の文観は、眼を半眼にとじ、巌(いわ)のごとく、素知らぬ顔を、斜めにしていた...
吉川英治 「私本太平記」
...とじていた半眼をひらいて...
吉川英治 「私本太平記」
...目を半眼(はんがん)にとじ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「…………」いつかしら眼も半眼に...
吉川英治 「新書太閤記」
...睫毛(まつげ)が半眼をふさぐだけのことだった...
吉川英治 「親鸞」
...半眼(はんがん)の心をいたすこと夕雲工夫の奥伝(おくでん)とする...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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