...シカモその志が決して区々日本の学界や文壇の小蝸殻(しょうかかく)に跼蹐(きょくせき)しなかったのが証される...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...区々たる官僚の規矩(きく)を守るを屑(いさぎ)よくしないスラヴの変形たる老書生が官人気質の小叔孫通と容(い)れるはずがないから...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...絵里子の科学的天才を区々たる家庭的の仕事――コーヒーをいれたり...
海野十三 「宇宙女囚第一号」
...窓の下を呼んで歩く号外売りの言うことが区々であるのを聞いて...
丘浅次郎 「我らの哲学」
...而(しか)してその区々(まちまち)な表現の価値を定めるものも科学の場合とは無論一様でない...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...そもそも又わが現代の社会百般の事挙って悉く西洋の模倣にあらざるは無きが故に区々たる商品の如きは顧るに暇なしと云うに在る歟...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...徒らに目前区々の小利を貪(むさぼ)りて千年不滅の醜名を流さば...
中島敦 「斗南先生」
...区々たる場所を超越した世界的の観念が潜んでいればこそ...
夏目漱石 「ケーベル先生の告別」
...議論区々にならないよう...
服部之総 「明治の五十銭銀貨」
...区々たる政府の政(まつりごと)に熱中奔走して...
福沢諭吉 「学者安心論」
...その原因については諸大家の学説区々(まちまち)で今に落着せぬ(大正二年版『ゼ・ブリタニカ・イヤー・ブック』一六〇頁)...
南方熊楠 「十二支考」
...「元和十二年二月二十日絶筆於西明寺焉」等記載区々になつてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...報道が区々(まちまち)でよく分りませんが...
柳宗悦 「沖縄の思い出」
...しかし日本は地方の事情は区々(まちまち)で...
柳田国男 「木綿以前の事」
...つい最近まで実は各地区々であった...
柳田国男 「木綿以前の事」
...群毎に甚だしく区々であっただけである...
柳田國男 「夢と文芸」
...などと私語(しご)区々(まちまち)であったが...
吉川英治 「三国志」
...目撃者の言にしてもじつに区々違うのである...
吉川英治 「随筆 新平家」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??