...皿の上には食いのこされた豚の脂肉(あぶらにく)が散らばっていて、蠅が二匹、じッと止(と)まっていた...
海野十三 「蠅」
...何の類人猿の一匹くらい...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...其処(そこ)には所夫のかわりに一匹の大きな狸が血まみれになって倒れていた...
田中貢太郎 「狸と同棲する人妻」
...それは一匹の猿(さる)でした...
豊島与志雄 「人形使い」
...一匹の小さな子猫が椅子(いす)の下で戯れていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...すぐに一匹の犬を思い出すのが通例であるから...
夏目漱石 「創作家の態度」
...昔の男一匹は動物的に猛勇を揮(ふる)うを特性としたとはいいながら...
新渡戸稲造 「自警録」
...二匹の猫を抱いて...
火野葦平 「花と龍」
...二匹の牛が店へやつて來て...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...アラビア沙漠の十匹の牝馬も火踊をするコブラ嬢も...
ゲオルヒ・ヒルシユフエルド Georg Hirschfeld 森林太郎訳 「防火栓」
...そこには二匹の七面鳥が放飼ひにされてゐた...
堀辰雄 「エトランジェ」
...かつてアメリカで知られたものに匹敵する大きな超過である...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...二匹の獅子の間を通って表へ出た...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...先棒、犬を散らしてやろうぜ」空かごを投げ出して、後棒が、息杖をふりかざして、飛んで来て、「しッ! しッ! 畜生! なぐるぞ! ぶち殺すぞ!」と、三、四匹の、野良犬を追ッぱらって、立ちすくんだ浪路に目をつけて、「ところで、ねえさん、この夜更けに、おひろいじゃあ、犬も跟(つ)きやすぜ――どこまでか知れねえがおやすくめえりやしょう、おのんなせえな」と、言うところを、先棒も近づいて、「犬を散らして上げた御礼というのじゃあねえが、どうだ、安く、御乗んなすって――」「まあ、穿(はき)ものもなにもねえじゃあありませんか――」と、後棒...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...そこへ 一匹のきりぎりすが きうりを買ひに来ました...
村山籌子 「きりぎりす の かひもの」
...これは千匹中の一匹という逸物だということをさとつた――「一万匹中の一匹だ」と頭の中で評価していた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...「匹夫(ひっぷ)...
吉川英治 「私本太平記」
...一匹の黒くて逞(たくま)しい熊野犬を後ろにつれ...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索