...あの自動車の窓の中から緑いろの猿が一匹首を出したやうに見えたのだよ...
芥川龍之介 「河童」
...一匹の蟇(ひき)がへるに違ひなかつた...
芥川龍之介 「素描三題」
...時に一匹の虫が行列から離れると...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...匹夫の勇といわれて...
海野十三 「火薬船」
...一匹の近海蟹(がざみ)のようによく肥(こ)えた大蜘蛛(おおぐも)が...
海野十三 「毒瓦斯発明官」
...一匹の老猿が背中を丸くして部屋の片隅(かたすみ)に坐っている感じであった...
太宰治 「斜陽」
...売り捌(さば)かれたものはわずかに五匹にすぎず...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...葛で三匹の虎の手足を縛ってそれを背中に縛りつけ...
田中貢太郎 「人蔘の精」
...現に近くの発電所にも一匹はたしかにいるという...
寺田寅彦 「軽井沢」
...犬の仔が幾匹も面白そうにふざけていた...
豊島与志雄 「童貞」
...タカが一匹の女興行師を...
中里介山 「大菩薩峠」
...一匹ずつ引っ捕まえて...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...もう一匹の犬は、遠くから吠えながら、前へ出たり、後へ戻つたりして、切(しき)りに尻尾を振つた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...私の義務として恐らくは神の小羊(こひつじ)の一匹(ひとつ)であつたかも知れぬこの娘が...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私とツヤだけだと二匹の世話ぁ焼けませんしね...
三好十郎 「猿の図」
...たかの知れた女一匹――誠 ……ふん...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...樫村病院は佐々木東洋の杏雲堂病院にも匹敵するものであった...
柳田国男 「故郷七十年」
...東京の三菱街も各国の一流の市街と匹敵している...
横光利一 「我等と日本」
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