...(暫く十九世紀中葉の作家たちはバルザツクでもスタンダアルでもサンドでも名文家ではなかつたと云ふアナトオル・フランスの言葉を信ずるとすれば)殊(こと)に絵画的効果を与へることはその点では無力に近かつたスタンダアルなどの匹儔(ひつちう)ではない...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...――しかも五体(ごたい)の整った小鼠を一匹とったためだった...
芥川龍之介 「三つの窓」
...やっとのことで一匹つかまえて見ると...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...第二十一匹目の一匹には一頭につき一ルーブルの関税を課する」「こんな鼠一匹に一ルーブルの課税はひどすぎますよ...
海野十三 「軍用鼠」
...蠅が二匹とも、どこかに行ってしまった」「蠅の姿が見えなくなったというわけだナ...
海野十三 「見えざる敵」
...大小二匹の猿のように銀行の前に陣取る...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...島に迷って饑(う)えていた一匹の猫を哀れがっていっしょに連れて行く記事がある...
寺田寅彦 「柿の種」
...市木さんは猫を二匹飼っていた...
豊島与志雄 「絶縁体」
...二匹とも不安そうに身体をすくめ...
豊島与志雄 「猫」
...わたしは無遠慮に格子戸(こうしど)明けて中座させるも心なき業(わざ)と丁度目についた玄関の庇(ひさし)に秋の蜘蛛(くも)一匹頻(しきり)に網をかけているさまを眺めながら佇立(たたず)んでいた...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...たとえ一匹でも二匹でも...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼の目の睫毛と睫毛との間に小さな一匹(ぴき)の蜘蛛(くも)が巣(す)をかけるに及んで...
中島敦 「名人伝」
...三百匹ぶら下がっていたのを見つけてすぐ籾漏斗(もみじょうご)に酒を吹きかけて...
夏目漱石 「三四郎」
...一匹の猫などを飼った...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黒猫」
...みみずを一匹持って来てわたすと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一匹だけどうしても見えない...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...半箭(はんせん)の功もなき匹夫(ひっぷ)の分際をもって...
吉川英治 「三国志」
...あたりは碧黒(あおぐろ)い波間にみえ、二匹の龍が、自分に戯れからんでくる...
吉川英治 「新・水滸伝」
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