...真北の空に飛ぶを見ぬ...
石川啄木 「詩」
...だしぬけに黒雲が東北の空の隅からむくむくあらわれ二三度またたいているうちにもうはや三島は薄暗くなってしまい...
太宰治 「ロマネスク」
...夕暮の東北の空は真赤に焼け爛(ただ)れて見えた...
田中貢太郎 「変災序記」
...富士山は手に取るやうにすぐ西北の空に聳つてゐる...
近松秋江 「箱根の山々」
...自分をのせた電車はもう水道橋(すいどうばし)を越えて霜夜の北の空に向かって走っていた...
寺田寅彦 「青衣童女像」
...西北の空を横眼に見上げつゝ渡(わたし)の方へ歩いて行った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...天女祠の背戸からは、北の空近く、白峯三山、地蔵、鳳凰、西へ廻って荒川、悪沢、笊ガ岳……と、きらやかな氷雪の巨人群、木ぬれを圧して、ずらり仰がれる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...北の空は紫にたそがれて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...赤い光が北の空の白い立つ雲まで染めていた...
長谷川伸 「討たせてやらぬ敵討」
...おれの胸に沁み入ったかおれは北の空に響く素晴らしい建設の轍の音を聞き故国を持たぬおれたちの暗い殖民地の生活を思ったおゝ蔑すまれ...
槇村浩 「間島パルチザンの歌」
...ふと北の空に青白い筋(すじ)が見えたが...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
......
三好十郎 「捨吉」
...女は北の空の果(はて)へ連れて行(ゆ)くが好(よ)い...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...北面したままじっと北の空を見つめていた...
吉川英治 「三国志」
...北の空を見まもったまま...
吉川英治 「三国志」
...五真夜中に、西北の空が、真っ赤に焦(や)けだしたので、袁紹は陣外に立ち、「何事だろう?」と、疑っていた...
吉川英治 「三国志」
...いままた北の空で...
吉川英治 「私本太平記」
...午過(ひるす)ぎてからは北の空の一方は雲の峰に蔽(おお)われたが...
吉川英治 「新書太閤記」
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