...かき廻すのよ」四郎は紙包みを開いて...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...その金包は池大雅が柳沢淇園から貰つたものだといふ事が判つた...
薄田泣菫 「茶話」
...我々がそれに包まれて歩いているこの見たところいかにも頑丈なような肉体というものが...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...包み荷につめて旅行をしている老紳士だと考える...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...先日彼女ガ提ゲテイタ買物包ミノ中身ハコレダッタノダナト思ッタ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...風呂敷包みの中から「むさし野」を出して清新な趣味に渇(かっ)した人のように熱心に読んだ...
田山花袋 「田舎教師」
...小原は袱紗(ふくさ)に包んだ紙入れのなかから...
徳田秋声 「足迹」
...ただ柔いやさしいものが彼を包んでいった...
豊島与志雄 「田舎者」
...五十十二分の自負心と期待とをもって包を解きにかかったがんりきの百御本人も...
中里介山 「大菩薩峠」
...胴巻から二十五両包が四つ飛出しやがった...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...結局一切の價値を支配し包括する...
波多野精一 「時と永遠」
...全く青春を包んだ喪の小屋のやうで...
林芙美子 「大島行」
...」塵紙にこまかく包んだ金を私の帯の間にはさもうとした...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...顔全体を包んでいる長い髭...
火野葦平 「花と龍」
...この大風呂敷が何を包んだものか...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...母が刺繍材料の包み紙になって来た亜米利加(アメリカ)の新聞を持って来て「これは何という人か」と尋ねますので...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...血に染った訶和郎と卑弥呼を包んで喧騒した...
横光利一 「日輪」
...すなわちそれが絶対者でありながらしかも個性的なものであることは――自分を包摂しつつしかも自分と対するものであるということは...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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