...薄汚れた鬱金木綿(うこんもめん)の袋に包んで...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...何だか訳の分らない妙なことがあったのよ」京子は洋装の胸から小さな紙包みを取出して...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...桃色の雲に包まれて...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...紙包みを破つて中から一冊の書物を引出した...
薄田泣菫 「茶話」
...お銀が風呂敷包みなどを抱えて...
徳田秋声 「黴」
...竜巻(たつまき)に包まれて通りゆくミケランジェロの神のようだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...昨夜(ゆうべ)机の上に載(の)せて置いた菓子の包みを見ると...
夏目漱石 「こころ」
...わずかばかりの紙包みをもらってゆく旅絵師の姿だけだった...
野村胡堂 「胡堂百話」
...腹を切るまで迷わせた女が憎くなるのは当り前では無いか」「――」「千万無量の怨みを包んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...骸骨(がいこつ)のように痩せ衰えた体を毛皮で包んでいました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...お前も自分の年齢を考へたゞらうと云はぬばかりの口ぶりで嘉吉はなか子へ風呂敷包を渡した...
林芙美子 「朝夕」
...私は湿ったオブラートに包まれたようにベトベトしていた...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...長屋では、瓦が飛んで壁がぬけるという騒ぎで、朝までまんじりともしなかったが、明け方、風がしずまったところで、出窓の蔀(しとみ)をあけに行くと、誰が投げこんだのか、小判で十両、紙に包んだのが、濡れ畳のうえにころがっていた...
久生十蘭 「奥の海」
...もやもやした黄色い光波のようなものに包まれていた...
久生十蘭 「肌色の月」
...全身をみすぼらしいくたびれた夜会服に包んでいる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...彼は私の悪心を紫色で包み隠そうとしたのである...
松永延造 「職工と微笑」
...三人はひとまずその離れに荷包を入れたが...
山本周五郎 「風流太平記」
...両方の掌に、百両包を、一つずつ乗せて腹ン這いに寝ころびながら、猫が鞠(まり)を弄(もてあそ)ぶように、「ふしぎだ、金が子を生んだ」と、呟いている...
吉川英治 「治郎吉格子」
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