...「そうか」無口な父は微笑を苦笑いに押し包んだような顔をして言った...
有島武郎 「フランセスの顔」
...それは築地の河岸ぷちで買い求めた握り寿司の包みだった...
海野十三 「深夜の市長」
...一せいに火焔に包まれてしまったのであった...
海野十三 「地球要塞」
...紙幣の風呂敷包みだけを拾って...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...海霧(ガス)に包まれた闇の中に...
大阪圭吉 「動かぬ鯨群」
...そのセルが風呂敷包の中にはいっていたのか...
太宰治 「服装に就いて」
...人妻の艶かしさを処女の慎ましさに包んでいるような妻の顔……それが……その喉の下にポツンと一つ小さく付いている黒子(ほくろ)までが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...黒の夜会服にすっかり身を包んでいた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...靜岡の伯父は分骨の小さな包をもつて歸つて行つた...
辻村もと子 「春の落葉」
...遺書を包んだ袱紗(ふくさ)とが...
直木三十五 「南国太平記」
...備前屋の裏口で幽霊のような女から頼まれた手紙――金の方は包みかけて置きっぱなしで逃げて来たが...
中里介山 「大菩薩峠」
...他の品を一包みにした...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...先ず酒石酸を二グラム以内即ち五分ばかりオブラートへ包んで先へ飲むのだ...
村井弦斎 「食道楽」
...葉苞(はづと)に包まれた形と似ている...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...女の体臭がなまなましく彼を包んでくる...
山川方夫 「昼の花火」
...包まずに認(したた)めますが...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...新聞紙へ包んだ風琴を持つて其店を出升(まし)た時は...
若松賤子 「黄金機会」
...空にも生れて太陽を包んでしまつた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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