...其処の角には勧工場(くわんこうば)と云つて何品(なん)でも売る所があるし...
石川啄木 「天鵞絨」
...その跡へ横浜館と名づくる勧工場(かんこうば)ができた...
井上円了 「おばけの正体」
...そうしておいて!」「お父(とっ)さんはあるの?」「あります」「何をしている?」「下駄屋(げたや)」「おッ母さんは?」「芸者の桂庵(けいあん)」「兄(にい)さんは?」「勧工場(かんこうば)の店番」「姉さんは?」「ないの」「妹は?」「芸者を引かされるはず」「どこにつとめているの?」「大宮」「引かされてどうするの?」「その人の奥さん」「なアに...
岩野泡鳴 「耽溺」
...新橋(しんばし)や上野(うえの)や芝(しば)の勧工場より以前には竜(たつ)の口(くち)の勧工場というのがあって一度ぐらい両親につれられて行ったような茫(ぼう)とした記憶があるが...
寺田寅彦 「自由画稿」
...そのころ勧工場のなかへ店を出していた...
徳田秋声 「足迹」
...勧工場の如く連りし劇場の柱太き廻廊を...
永井荷風 「舞姫」
...小野さんにいっしょに行っていただいて勧工場(かんこうば)ででも買って来いと申しましたから」「はあ...
夏目漱石 「虞美人草」
...新橋の勧工場(かんこうば)を一回(ひとまわり)して...
夏目漱石 「それから」
......
林芙美子 「新版 放浪記」
...今も私は折ふし小川町の勧工場(くわんこうば)見物(み)に行(ゆき)まする度々(たびたび)...
樋口一葉 「十三夜」
...帰途勧工場(かんこうば)に入りて筆紙墨(ひっしぼく)を買い調(ととの)え...
福田英子 「妾の半生涯」
...勧工場(かんこうば)を知らないの? まあ! ……」と雪江さんは吃驚(びッくり)した面(かお)をして...
二葉亭四迷 「平凡」
...数分の後私たちはある大きい賑やかな勧工場へやって来たが...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...今の天勇のもう一つ向こうの通りの勧工場に...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...僕等は勧工場の中に這入つて...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「不可説」
...明治十一年丸の内竜ノ口(永楽町二丁目)に出来た府立の第一勧工場がそもそもの元祖...
山本笑月 「明治世相百話」
...勧工場という名目をどなたも全く御失念...
山本笑月 「明治世相百話」
...浦潮斯徳(ウラジホストツク)の勧工場(くわんこうば)で買つて来た桃色の箱に入(はひ)つた百本入(いり)の巻煙草(たばこ)と...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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