...この勢いに、勝ちほこった明兵(みんぺい)もおじけ立って、わあッ! と左右に道を開くと、「殿(との)、この道を、この道を――」清兵衛は血槍(ちやり)で、そこに開けた道を指(さ)してさけんだ...
安藤盛 「三両清兵衛と名馬朝月」
...勢いよく実験室へ飛び込んで行ったが...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...海や河は泣く勢いで泣きほしてしまいました...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...自分にいま勢いがあるかどうか...
太宰治 「作家の手帖」
...ベコニアや蘭(らん)の勢いのいいのに比べて...
寺田寅彦 「病室の花」
...勢い討せざるべからざるに至る...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...若者は勢いよく起ちあがった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...その絵師が描きなぐっている絵筆の勢いが...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分も勢いに引かれて...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...勢い危惧(きぐ)の念が伴なわざるを得なかった...
夏目漱石 「明暗」
...勢いよく坂を馳(か)け下って行く俥(くるま)の輪があげる軽塵(けいじん)にも知られた...
水上滝太郎 「山の手の子」
...勢いのいいのは石油のためなんだ...
宮沢賢治 「グスコーブドリの伝記」
...勢いあるものを見かけません...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...すごい勢いが出るんだぜ...
山本周五郎 「新潮記」
...こうした浅ましい時代の勢いを真実に回顧し得る人々は...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...見ると、濠(ほり)の向うで、逃げ惑っていた阿新丸の小さい影が、大竹やぶの竹の一つへ、凄い勢いで、よじのぼっていた...
吉川英治 「私本太平記」
...いまやそれの東漸(とうぜん)は止まらない勢いにある」「御気性として...
吉川英治 「新書太閤記」
...勢いのよい時、羽振に乗って、人いちばい権(けん)をふるったり意慾を恣(ほしいまま)にしたけれど、こういう人間ほど、半面には、頑(かたくな)なくらいな道徳的良心をもっているので、失脚すると共に自己の良心で、自己の余生を全く自身で縊(し)め殺しているような心理になってしまったものらしいのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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