...彼は勃然と心の底から湧き出て来る憤りを押さへて...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...一方に失いしところを他方に補わんとする野心が勃然と頭を擡(もた)げて来る...
大隈重信 「選挙人に与う」
...勃然として頭を擡(もた)げるのではないかと思う...
大隈重信 「文明史上の一新紀元」
...其勃然として一たび自席を起つや口を開けば惡罵百出...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...例えば、ライオンの子が、子どもの時、人間に捕えられて、羊の群れの中に飼われていたところ、ある日、森の中に、ふとライオンの雄々しい叫びを聞いて、勃然として、自分の血の中にライオンを感じて、かたわらの羊の子を喰い殺したという物語があるように、自然の中に、自分の自由のありかたをかぎつけた時、人間は、また柔らかい、柔軟きわみなきこころと、強い、強靭きわみないこころの二つのものを同時にもつことができるともいえるのである...
中井正一 「美学入門」
...探険の興は勃然として湧起ってきたが...
永井荷風 「放水路」
...勃然として新鮮なる興味が荒涼たる原子野に湧き上がる...
永井隆 「長崎の鐘」
...あれはお絹ではないか」勃然としてこういう偶想が起ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...今ここで勃然として気がついて...
中里介山 「大菩薩峠」
...勃然として正義感に沸(たぎ)り始めたのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...八」平次は勃然として起ち上りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ふざけた事を」平次の反抗心は勃然として湧き起ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そこで勃然として床を蹴り...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...」と真理探究の本能から勃然として新鮮な興味が湧き上る...
原民喜 「長崎の鐘」
...「言いたまえ!」「……」勃然とした怒りがこみ上げてきた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...勃然として怒(いか)つた...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...さうすると勃然として舊水戸藩出身の者を中心とし...
吉川英治 「折々の記」
...それらを見て父の心には勃然として怒りの情が動きはしまいか...
和辻哲郎 「蝸牛の角」
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