...それぞれ自分の力に任せて...
伊藤左千夫 「廃める」
...若い力に任せて、大急ぎで此の場を遁げるがいゝ、もう年老つた母と足を合はせたりして、此の危急の死に逢ふやうな事があつてはいけない...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...その資本力に任せて有利の事業と見れば八方に手を出し...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...大きな太鼓や鐘があぜ道にすえられて赤裸の人形が力に任せてそれをたたく...
寺田寅彦 「田園雑感」
...それが感覚の力に任せて解答を求める人々を挫かせているものでもあってもね...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...力に任せて鍔押しに押して来ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...我を忘れて口上言いを力に任せて後ろへ引くと...
中里介山 「大菩薩峠」
...ある時は小僧の脊中(せなか)から彼の髪の毛を力に任せて(むし)り取った...
夏目漱石 「道草」
...頭も尾も自然の力に任せて抵抗しない事にした...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...強力に任せて後ろから絞めた――余程の力だろう」「すると?」三輪の万七も次第に思い当ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...力に任せてドンドン唐紙を蹴つたり撲つたりした...
牧野信一 「疳の虫」
...それを石でコツーンと力に任せて打ちひょろひょろと転げてはまた起ち上って打つ事は幾度か知れません...
正岡容 「我が圓朝研究」
...父さんや母さんが帰ったら皆(み)んな言告(いいつ)けて遣(や)らなくっちゃ」と力に任せて我家の方(かた)へ引戻す...
村井弦斎 「食道楽」
...その惰力に任せて...
森鴎外 「百物語」
...これは男連中が腕力に任せて先を争った結果で...
夢野久作 「爆弾太平記」
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