...跣足(はだし)を力なくひきずりながら...
芥川龍之介 「邪宗門」
...力なく投げだされた青白い弟の腕が伸びていた...
海野十三 「恐怖の口笛」
...フンと力なく笑って...
太宰治 「皮膚と心」
...彼は力なく其処に坐って傍に肩に波を打たせて泣いている女の方を見た...
田中貢太郎 「陳宝祠」
...力なく首垂れていた...
豊島与志雄 「童貞」
...切口から力なく流れただけであった...
直木三十五 「南国太平記」
...ああそうですかと力なくいい...
永井隆 「長崎の鐘」
...愚鈍な瞳で力なく返事するかもしれない...
中原中也 「我が生活」
...いま室内にひとりで坐つて暮れゆくたましひの日かげをみつめるそのためいきはさびしくしてとどまる蠅のやうに力がないしづかに暮れてゆく春の夕日の中を私のいのちは力なくさまよひあるき私のいのちは窓の硝子にとどまりてたよりなき子供等のすすりなく唱歌をきいた...
萩原朔太郎 「青猫」
...力なくセセラ笑つて見た……...
牧野信一 「貧しき日録」
...「悩ましく・おとろえて・力なく・うつうつと・思いわずらい(モルビデツア)」などといったぐあいに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それを力なく下へおろして太腿(ふともも)を叩いた...
山本周五郎 「季節のない街」
...力なくほのめいていたからであった...
夢野久作 「鉄鎚」
...どうしたんだ……女に振られたのか……徳市は力なく頭(かしら)を左右に振った...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...力なくうなだれるばかりであった...
夢野久作 「老巡査」
...女のみありて、女の手より女の手へ渡る物のうら寂(さび)しく、冷たく、力なく、かの茶人(ちやじん)の間(あひだ)に受渡す言葉の如(ごと)く寒くいぢけて、質素(ぢみ)なるかな...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...そして、力なく、「小沛(しょうはい)へ行こう...
吉川英治 「三国志」
...与えられた床几へ力なく腰かけると...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??