...」彼は、はっきりこう言って、それから、もう一度赤ん坊の指にふれると、その手が力なく、落ちそうになる...
芥川龍之介 「偸盗」
...ワアと力なく泣く...
石川啄木 「鳥影」
...わアと力なく泣く...
石川啄木 「鳥影」
...とぼとぼと力なく歩いて来たが...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...覆面の怪塔王は力なくうなだれ...
海野十三 「怪塔王」
...突然力なく笑い出して...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...想像力なくして恐怖は生まれぬ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...やがて力なく立上って...
豊島与志雄 「土地」
...やっぱりわたくしは力なくも白骨谷までまいりましょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...石竹と青猫みどりの石竹の花のかげに ひとつの幻の屍體は眠るその黒髮は床にながれて手足は力なく投げだされ 寢臺の上にあふむいてゐる...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...力なく右へ右へとたおれた...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...僕は力なく搖すぶられながら...
堀辰雄 「不器用な天使」
...時流に耐える底力なく自棄(やけ)の生活を送っているうちにすッてんころりんと落伍してしまい...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...力なくなく次の旅店に至れば行燈に木賃と書きたる筆の跡さえ肉痩(や)せて頼み少きに戸を開けば三...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...そのときその転がり方は弱弱しく力なく...
室生犀星 「香爐を盗む」
...両手を力なく垂れたままで...
森鴎外 「かのように」
...甘い言葉が力なく上辷りしている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...面目無いS先生と酒を飲んだのも僕だ生れかわって遣り直す忰(せがれ)と嫁の将来を頼む二十日午後一時 MよりW兄 足下私の手から号外が力なくヒラヒラと辷(すべ)り落ちた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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