...暫(しば)らくこの哀れな死刑囚の為に時間を御割き下さい...
江戸川乱歩 「双生児」
...この結婚に不賛成だった藤原家の人々は私の落度を見つけてそれを口実に夫との間を割き...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...愛を割きてけづりて...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...曾て房州に放浪して、菱花灣畔に、さゝやかなる家を借り、あびきする濱邊に出でて、溌剌たる鮮魚買ひ來りては、自から割き、自から煮て、いと心安き生活を送り、時には伴れだちて、城山の古城址に興亡の跡を訪ひ、延命寺の古墳に里見氏の昔を弔ひ、富山を攀ぢ、清澄山に上り、誕生寺を訪ひ、洲崎辨天にまうで、行き暮れて白須賀灣頭の月に臥し、夜ふけて鋸山上の古寺に白雲と伴ひて眠るなど、形體を波光山影の間に忘れて、虚心江上の白鴎に伴ひし當年の遊蹤、猶ほ昨日の如きに、同じく遊びしもの、今四散す...
大町桂月 「房州紀行」
...巧みに肉を切り割きて串に貫き火にかざし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...果園と耕土――すぐれたる沃地汝のために割き...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...木綿藍縞の袷衣(あわせ)に小倉の帯を締め無地木綿のぶっ割き羽織を着し...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...短時間を割き与える...
豊島与志雄 「同感」
...遺言してその資産の一部を割き...
長岡半太郎 「ノーベル小傳とノーベル賞」
...二三省の地を割き二三万方里の土地四五千万の人民を得るも...
中島敦 「斗南先生」
...鎌を以て腹部を割き體内の嬰兒を出し母の屍體に抱かしめ...
中山太郎 「安達ヶ原の鬼婆々異考」
...着ている着物や帯までも割きましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どうなさるおつもりで」「八つ割きにでもしなければ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...醜(みにく)い顏が割きれない苦惱に歪(ゆが)みます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...午前を毒物学の研究のために割き...
久生十蘭 「黒い手帳」
...魚類を割き血を洗はずに其のまゝ鹽漬にしたもの...
柳田國男 「食料名彙」
...魚類を割き血を洗わずにそのまま塩漬にしたもの...
柳田國男 「食料名彙」
...「仏は身肉手足を割きて衆生に施せり」...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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