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石川啄木 「一握の砂」
...前栽(せんざい)もの...
泉鏡花 「薄紅梅」
...前栽(せんざい)の小笹(おざさ)の中へ板碑や塔婆を無造作に排置したのもまた椿岳独特の工風(くふう)であった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...この小房の縁に踞(きょ)して前栽に対する時は誰でも一種特異の気分が湧く...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...二人は原っぱのような前栽のなかに立っている一軒家に通された...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...前栽(せんざい)の八つ手の葉の乾いた上にパサリと物の落ちる音がしたので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...わずかに中前栽(なかせんざい)の鈍い明りがさしている昼も薄暗い室内に...
谷崎潤一郎 「細雪」
...獲って来た蛍の大部分を前栽(せんざい)に放してやった時...
谷崎潤一郎 「細雪」
...けだし佐助が忍(しの)び出た物干台というのは店舗(てんぽ)の屋上にあったのであろうから真下に寝ている店員共よりも中前栽(なかせんざい)を隔(へだ)てた奥の者が渡り廊下(ろうか)の雨戸を開けた時にまずその音を聞きつけたのである...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
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谷崎潤一郎 「春琴抄」
...南向の居間の前栽(せんざい)へ出て...
夏目漱石 「道草」
...土蔵と申しても座敷土蔵(ざしきどぞう)で、廊下にかこまれた中庭にありますので、前栽からも遠く、もちろん玄関や裏口などからもよっぽど離れておりますんです...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...前栽(せんざい)と名づけたわずかな草むらに七草を雑居させてみたり...
柳田国男 「雪国の春」
...前栽の脇につくばっていた四人の者達が...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...そして前栽(せんざい)にある車井戸のほうへ戻って来ると...
吉川英治 「大谷刑部」
...後で通る」「然らば」ごめんと通って――藤吉郎は門内の前栽(せんざい)に佇(たたず)んだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...太刀の反(そ)りを打たせながら侍たちはずかずかと前栽のうちへ入って行った...
吉川英治 「親鸞」
...ツイ鼻さきの前栽には鈴蟲が一疋...
若山牧水 「樹木とその葉」
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