...前栽(せんざい)もの...
泉鏡花 「薄紅梅」
...家より西北に当る裏の前栽畑(せんざいばたけ)...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...夕暮近い前栽(せんざい)の初夏の景色を眺(なが)めていたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...父が珍しくも前栽(せんざい)に出て...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...前栽の萩――一昨春...
種田山頭火 「其中日記」
...前栽の萩――それは一昨年黎々火君と共に裏山から移植したもの――が勢よく伸びて...
種田山頭火 「鉄鉢と魚籃と」
...障子を開放した前栽(せんざい)の方に足を投げ出してじっと心を澄ましていると...
近松秋江 「黒髪」
...さうしてこの幽邃な世界のうへに夜(よる)は青じろい月の光がてらしてゐる月の光は前栽の植込からしつとりとながれこむ...
萩原朔太郎 「青猫」
...さうしてこの幽邃な世界のうへに夜は青じろい月の光がてらしてゐる月の光は前栽の植込から...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...あまり樹の数をおかない上方(かみがた)ふうの広い前栽(せんざい)で...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...この前栽の名で呼んで居たのである...
柳田國男 「食料名彙」
...前栽の脇につくばっていた四人の者達が...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...そして前栽(せんざい)にある車井戸のほうへ戻って来ると...
吉川英治 「大谷刑部」
...一門の前栽を深く通って...
吉川英治 「私本太平記」
...やはり同じ前栽の風致(ふうち)を前にした小座敷...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「……鈴(りん)が鳴ったようだが」「庭の客門には銅鈴(どうれい)がついておりました」「誰かそこから前栽(せんざい)の内へ入ってきたのではなかろうか」「探(さぐ)ってみましょう」「ウム」啓之助はすぐに立った...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...庭下駄をはいて前栽(せんざい)のほうへ出られたが」「そろそろお時刻が近づきました」「ム...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...前栽(せんざい)の中へ入っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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