...送受信機の前に前屈みとなって...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...唯いくらか前屈みに演壇に立って...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...体を前屈みにするなり...
田中貢太郎 「文妖伝」
...小さな身体を前屈みにし...
田中英光 「箱根の山」
...女はたいてい音をたてないようにして前屈みに速く歩く...
田畑修一郎 「石ころ路」
...ラエーフスキイは両手を袖口につっ込み、前屈みになって、森の中の小さな草地を急ぎ足で前後に歩き廻っている...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...膝のうえに兩手をそろえて前屈みになって相手が口を切るのをじりじりしながら待ち受けた...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...松本の前屈みの後姿を見送った...
豊島与志雄 「自由人」
...少し前屈みになって...
豊島与志雄 「白日夢」
...前屈みにお鳥の脇へ両手を入れて...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...長い鍬を肩にになつて前屈みの姿勢で重苦しく...
原民喜 「飢ゑ」
...いつものように前屈みになってセカセカと出て行った...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...何をするんだ?」モンタギュ卿が前屈みになり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...」チェルカソフ氏は前屈みになり...
R. マッケナ R. McKenna The Creative CAT 訳 「愛と月の犬」
...――こいつあ、一通りでねえ、代物(しろもの)だぞ!と、心に呟いて、いままで、単に、捕り方たちを威すために抜きかざしていた短刀を、握りしめて、前屈みに、上目を使って、じっと侍の様子を覗(うかが)った...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...こちらは、五助、どんより曇って、月もない、杜下径(もりしたみち)、茅萱のなびいた、蔭につれ込むと、小声になって、「甚太郎――話と申すはな――」正直な男、「は、何でござりまするで――」と、前屈みに、身を寄せた瞬間!――シュッ!と、いうような、かすかな音がしたのは、抜き討ちの一刀が、鞘(さや)ばしった響き――――ピュウッ!と、刃風が立って、ズーンと、この無辜(むこ)の庶民の、肩さきから、大袈裟に、斬り裂いた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...」前屈みになって云うので...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...父はそれへ頷きもせずステッキの握りへ片肘をのせて心もち前屈みに向う側の窓へ顔をむけたなりで行ってしまった...
矢田津世子 「父」
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