...男の方は少し前屈みで背がひょろ高かった...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「妖影」
...唯いくらか前屈みに演壇に立って...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...前屈みに耳を障子に押しつけようとしました...
薄田泣菫 「茶立虫」
...その後から老爺は前屈みになって閼伽桶(あかおけ)を下げつつついて行く...
橘外男 「逗子物語」
...ちょっと体を前屈みにし...
田中貢太郎 「涼亭」
...女はたいてい音をたてないようにして前屈みに速く歩く...
田畑修一郎 「石ころ路」
...さういふことを一わたり話し終ると、彼はいたつて愛想のないその隈取りのやうな皺の表情をちつとも変へずに立上つて、立上るや否やその身体つきには何か強(し)たゝかなごついものが現れ、稍前屈みに、それと共に前方を見据ゑるやうな恰好になつて帰つて行つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...その前屈みの体(からだ)つき...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...竹村君は前屈みになって硝子(ガラス)箱の中に並べたまじょりか皿をあれかこれかと物色しているが...
寺田寅彦 「まじょりか皿」
...前屈みになっていたたつの頭は稚児髷であった...
外村繁 「澪標」
...背も少し前屈みになっていた...
豊島与志雄 「公孫樹」
...いつも前屈みになってセカセカ歩く...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...この村長は一層こざかしく勿体さうに首を前屈みにして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...前屈みになり全身を震わせ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...威厳に充ちた稍や前屈みの姿でこつ/\と歩みを運ばれた...
牧野信一 「文学とは何ぞや」
...こちらは、五助、どんより曇って、月もない、杜下径(もりしたみち)、茅萱のなびいた、蔭につれ込むと、小声になって、「甚太郎――話と申すはな――」正直な男、「は、何でござりまするで――」と、前屈みに、身を寄せた瞬間!――シュッ!と、いうような、かすかな音がしたのは、抜き討ちの一刀が、鞘(さや)ばしった響き――――ピュウッ!と、刃風が立って、ズーンと、この無辜(むこ)の庶民の、肩さきから、大袈裟に、斬り裂いた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...このペピイは前屈みに腰を掛けて...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「老人」
...父はそれへ頷きもせずステッキの握りへ片肘をのせて心もち前屈みに向う側の窓へ顔をむけたなりで行ってしまった...
矢田津世子 「父」
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