...後年ワグネル及び其徒と背き去つた事が如何に深刻なる「別れの時」の悲哀を彼の腦裡に刻み込んだかは今更繰返す迄もないことである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...三足ばかりを小刻みに急いで来て...
泉鏡花 「婦系図」
...しかもそれがバイブルに関係した物であったら耶蘇教者は一寸刻みにして研究するだろう...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...三藏は何心なくつッと這入らうとするとバタ/\と小刻みの草履の音が聞えて内から戸が開く...
高濱虚子 「俳諧師」
...飛鳥白鳳や天平にもなかった精神内奥の陰影がその形象の上に深く刻みつけられている...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...刻みこまれてしまつたかのやうに...
立原道造 「夜に就て」
...煙草屋(たばこや)の茂助(もすけ)と云う刻み煙草を売る男が入って来た...
田中貢太郎 「四谷怪談」
...刻み煙草一オンスとマッチを一箱...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「唇のねじれた男」
...何だか深く胸に刻み込まれてしまったようにも思えた...
徳田秋声 「新世帯」
...正夫の頭に刻みこまれた...
豊島与志雄 「霧の中」
...お伽噺なんかのことよりも深く私の頭に刻み込まれた...
豊島与志雄 「好意」
...顔全体はたちまち骸骨(がいこつ)のそれのように土色の角を刻み...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...悲しげな微笑が長く男の子等の記憶に刻み付けられた...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...一端から小刻みに繰り出して...
牧野信一 「熱海線私語」
...しかもなお小刻みにふるえている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
...小刻みに開いてゆく...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...我々はやはりこの大自然の刻みいだす山岳を構成する各部分...
吉江喬松 「山岳美觀」
...それは当然な小刻みの足もとだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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