...到底それが第三者の言であるからであるまいか...
伊藤左千夫 「奈々子」
...荒れ果てていて到底近寄ることは出来なかった...
大阪圭吉 「動かぬ鯨群」
...ところがその矢がキジの胸から通りぬけて逆樣に射上げられて天のヤスの河の河原においでになる天照らす大神高木(たかぎ)の神の御許(おんもと)に到りました...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...さて彼(かれ)は自分(じぶん)の周囲(まわり)にはそう云(い)う生活(せいかつ)を設(もう)けることは到底(とうてい)出来(でき)ぬのであった...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...より大きな「恩人」と「知慧」とに思い到るのである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...後日に到ってやかましくなり厳しい調査があるので...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...増設を必要としないような状態は到底望まれないようだ...
戸坂潤 「社会時評」
...自分はお糸(いと)に対しては到底(たうてい)それだけの威力(ゐりよく)のない事を思返(おもひかへ)した...
永井荷風 「すみだ川」
...到るところの社会で...
中里介山 「大菩薩峠」
...いくら何(ど)う用ひても構はないものだといふ決論に到着した...
夏目漱石 「点頭録」
...一九四二年に一応の結論に到達したのであるが...
仁科芳雄 「原子力の管理」
...詩は到底小説の比較でなく...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...末娘の妙子と二人で今日に到つた...
林芙美子 「崩浪亭主人」
...力の観念に到達することを望んでも無駄であろう...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...到底満足な格構では歩けないことに気がつくと...
牧野信一 「妄想患者」
...が、きょうびはあの飄逸な万橘の唄も、我らの欣喜渇仰するほどこの頃の寄席のお客には迎えられず春風柳(やなぎ)の田舎唄に一蹴されて、到底、そのかみの意気だにないという...
正岡容 「寄席行燈」
...実質に到ってはなかなか優秀です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...自分の力では到底捕まえることはむずかしいが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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