...始終良心に攻められて居る樣な顏をして實際も多少は攻められながら萬人の行く大道を利口に先走りする典型(タイプ)だなと相島は益皮肉になる...
有島武郎 「半日」
...鰻を食うことに関しては、十五歳以上の子供がそれを食えば、利口にもならず、出世もしないとされている...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...しかし僕は利口になっているだけそれだけ安心ができないと思った...
大杉栄 「日本脱出記」
...雑誌を読むのは利口に見られたいからだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...人間も何度同じ災害に会っても決して利口にならぬものであることは歴史が証明する...
寺田寅彦 「時事雑感」
...科学者が利口になると科学は進歩を中止する...
寺田寅彦 「スパーク」
...たいそう利口になったようでもありまた馬鹿になったようにも思われた...
寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
...これから先はもっと利口になることだ』と彼は不意に決心したが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...利口に変れば変る方がいいんでしょう...
夏目漱石 「虞美人草」
...あまりに利口に生れ過ぎた男であった...
夏目漱石 「それから」
...「手前は急に利口になったな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...利口になって帰ってくる...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...すこしでも小利口に見えるようならば...
長谷川時雨 「議事堂炎上」
...伯母なる人が口先ばかりの利口にて誰(た)れにつきても根からさつぱり親切気のなき...
樋口一葉 「ゆく雲」
...伯母なる人が口先ばかりの利口にて誰れにつきても根からさつぱり親切氣のなき...
樋口一葉 「ゆく雲」
...どうかして丁度貴女が居る時にいきなり貴女の手に飛び込める様に手紙も利口になって呉れるといいけれどねえ...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...彼那に楽に彼那に好きに仕て居れば誰だって利口になれると思えた...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...言葉を換えて云えば文化的に利口になった証拠が...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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