...引返してお立合い下さるならば、八木、桜井、初瀬の河原、あのあたりで程よき場所を定めて、晴れの勝負を願いたいものでございます」七兵衛はジリジリと押しつめるように竜之助に返答を促(うなが)したが、竜之助は取合わず、「勝手にせよ」腮(あご)で馬子に差図(さしず)して静かに馬を打たせようとする...
中里介山 「大菩薩峠」
...「初瀬から八木へかかるが道はようござるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...桜井の宿を出て初瀬河原の方へ行く...
中里介山 「大菩薩峠」
...初瀬へ行くに艾うる家のならびたればこもりくの初瀬のみちは艾なす暑けくまさる倚る木もなしに三輪山へいたる途にて味酒三輪のやしろに手向けせむ臭木の花は翳してを行かな三輪の檜原のあとゝいふを...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...初瀬浪子らの女優劇があり...
正岡容 「大正東京錦絵」
...未だ美しい盛りだつた初瀬浪子が...
正岡容 「寄席風流」
...初瀬(はせ)の方から多武(たふ)の峰(みね)へ廻つて...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...中古吉野初瀬詣(もう)で衰えて熊野参り繁昌し...
南方熊楠 「十二支考」
...前を流れて行くのが初瀬川である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...朝の月涙のごとくましろけれ御寺(みてら)の鐘の水渡る時 (晶子)二月の二十日(はつか)過ぎに兵部卿(ひょうぶきょう)の宮は大和(やまと)の初瀬(はせ)寺へ参詣(さんけい)をあそばされることになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今年になりましてから二月に初瀬(はせ)参りの時にはじめてお逢いすることになったのでございます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...初瀬(はせ)の観音様...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私へ初瀬(はせ)の観音様がくだすった人ですもの」と尼君は言う...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...九月になって尼夫人は初瀬(はせ)へ詣(まい)ることになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...初瀬詣(はせまい)りから帰って来た尼君の悲しみは限りもないものであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今年の三月に年をとりました母が願のことで初瀬へまいったのでございましたが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...初瀬笠、かぶろうかい」「ようございますか」「ああ、よしよし」銭(ぜに)を払い、すぐ汗拭きとかぶり代えて、立ち去りかけたが、また何を見たのか、急に戻って、笠売りの隣の木蔭に佇んだ...
吉川英治 「私本太平記」
...京都界隈(かいわい)から大阪奈良初瀬とつて紀州に入り込んだ時はかなり身心ともに疲れてゐた...
若山牧水 「熊野奈智山」
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