...この年は初めて悪性の世界的流行感冒が流行(はや)った秋のことで...
近松秋江 「狂乱」
...主観的印象同志をどんなに印象という媒質自身の中でつき合わせても出て来ないものが、この主体的な印象と非主体的な抽象との二つのフレムトなるものを連関づけるという労作から、初めて出て来る...
戸坂潤 「所謂批評の「科学性」についての考察」
...寄宿生正岡子規に引きこまれて俳句を初めるまでの間...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...初めは直樣途切れて...
永井荷風 「蟲の聲」
...すこしの渋滞を止めないに至って初めて言い得ることであって...
藤島武二 「画室の言葉」
...初めから存在しないのだった...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...この城を囲むのは、初めから、おれの真意ではなかったのだ...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...生れて初めての中等列車に乗る...
正宗白鳥 「空想としての新婚旅行」
...記念のために町を建てた外国の例を初めの項に出した...
南方熊楠 「十二支考」
...この間が初めてでした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あれはたしか私の文章を発表した初めであろう...
柳田国男 「故郷七十年」
......
山之口貘 「鮪に鰯」
...すべてが初めに返ったような感じだ」隼人は重苦しげな顔つきになり...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...クルリと横を向いて葉巻を吹かし初めた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その子女が小学初め中学程度の学校において何を学びつつあるかを明確に認識している者が幾人あるでしょうか...
与謝野晶子 「教育の民主主義化を要求す」
...そしてふと、傍らにある貂蝉(ちょうせん)のほうを眼の隅から見やると、この半月の余は、董卓の枕元について帯も裳(もすそ)も解かず、誠心から看護して、すこし面(おも)やつれさえして見える容子なので――呂布はたちまち、むらむらと嫉妬の火に全身の血を燃やされて、(初めは、心にもなくゆるした者へも、女はいつか、月日と共に、身も心も、その男に囚(とら)われてしまうものか)と、遣(や)るかたなく、煩悶(はんもん)しだした...
吉川英治 「三国志」
...初め、おまえのはなしでは、この中国など、信長が手をつければ、忽ち席巻(せっけん)してしまうようなことを申しておった...
吉川英治 「新書太閤記」
...初めのうち非常に調子が好かった...
和辻哲郎 「鎖国」
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