...熱で固まらせた蝸牛の粘ついた液は、初めに膨れて、それから縮む...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...初めて足を引いて坐わりに直し...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...実際僕は初めて東京監獄にはいった翌朝...
大杉栄 「続獄中記」
...初めて俺はテロリストたりうる...
高見順 「いやな感じ」
...大秀の娘である嫁のおゆうが、鶴さんの口にはゆうちゃんと呼れて、小僧時代からの昵(なじ)みであることが、お島には何となし不快な感を与えたが、それもしみじみ顔を見るのは、初めてであった...
徳田秋声 「あらくれ」
...彼もまた初めより松陰の名を知り居(お)れり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...そして初めて得られる処の観察を云うのである...
戸坂潤 「科学論」
...シカゴの哲学者ジョン・デュウイに受けつがれて初めて...
中井正一 「美学入門」
...それ故その時は初めて逢った母に対して強(し)いて父の事をきいて見ようという気にもならずにいたのです...
永井荷風 「ひかげの花」
...初めは緑色であるのが秋風に誘われて...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...これが小説というものを読んだ初めである...
三木清 「読書遍歴」
...表現によつて初めて作品としての存在をかちうるものである以上は...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...この位長いものとして初めて書いて企画がはっきりしなかったのね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そんなピストンは初めからピストンではない...
三好十郎 「冒した者」
...これはこの日に初めて起ったものではなく...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...たまらない好奇心が眼の前で渦巻き初めたので...
夢野久作 「斬られたさに」
...今初めてベルリンで逢う...
横光利一 「欧洲紀行」
...火光が射(さ)して初めて知れたのは...
吉川英治 「江戸三国志」
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