...ぢやなくつて?』初めて聞いた言葉ではないが...
石川啄木 「鳥影」
...初めて本来の正常な有機的連関に...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...吾々はこの二つの思想・世界観の対比に於て初めて双方の思潮の価値を科学的に知り得るものであり...
戸坂潤 「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」
...初めの情愛のあとに必然起こってくる落胆や敵視にたいして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...洗たく物をひろげる室で神を祈り初めました...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...欅、桂、栂、姫子、黒部杉、楓、楢など、針葉闊葉の大樹が、山壁のどんな処までも生いすがって、上へ上へと累積し、峯の極まるあたりは、浅い軒廂のなおこなたにあって、柱を捉えて首を伸ばして、初めてようやく、天心巻雲のなびくほとりに、その頂きを突き入れているのが見られよう……...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...自己にエスプリのある批評家になってこそ初めて...
藤島武二 「画室の言葉」
...明治五年に始めて司法省の明法寮(めいほうりょう)に法学生徒を募集してフランス法を教授したのが初めであるが...
穂積陳重 「法窓夜話」
...何うしたらあの娘と関係出来るか? その謀みで私は夢中になり初めていた...
松永延造 「職工と微笑」
...表現によつて初めて作品としての存在をかちうるものである以上は...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...死んじまってからだっても……子供が学校に初めてあがった頃...
三好十郎 「おりき」
...そこまで来て初めて...
山本周五郎 「さぶ」
...もう七八年も世話をしているが、彼女がそんな膏(あぶら)ぎった眼つきをするのは、初めてである...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...初めのうちは親兄弟や先生を困らせる程度であるが...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...お蝶は初めてホッと気をゆるしました...
吉川英治 「江戸三国志」
...初めて敵地へ進撃したのであるが...
吉川英治 「新書太閤記」
...初めてほんとの喘(あえ)ぎが出て来たらしく...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ただ肉感的な刺戟のみを受けるという事実があって初めて禁止の理由が成立する...
和辻哲郎 「蝸牛の角」
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