...菊池の小説は菊池の気質と切り離し難い物である あの粗は決して等閑(なほざり)に書き流した結果然るのではない...
芥川龍之介 「雑筆」
...ここの所を切り離したいか...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...従来のすべての因縁を切り離して...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...切り離したばかりの血だらけの牛の耳を提(さ)げて...
谷譲次 「踊る地平線」
...東洋というものだけを切り離して考えるのは...
津田左右吉 「東洋文化、東洋思想、東洋史」
...この両者は実は合して一つの有機体を構成しているのであって究極的には独立に切り離して考えることのできないものである...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...なぜかと言えば人間と自然とを切り離して対立させない限り...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...二つのものを切り離して考える俗物自然科学者の習慣に傚うからのことで...
戸坂潤 「科学的精神とは何か」
...それからこうした客観的な何等かの組織(物質的でも観念的でもいい)から切り離して理解された限りの主観的な技能や知能も亦...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...死体はあっさりロープから切り離して沖へ流した...
久生十蘭 「ノア」
...――その二人は明にはいつの間にかどっちをどっち切り離しても考える事の出来ない存在となっていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...彼はいそがしく橈(かい)をあちこちに動かして船について来る死体を切り離した...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「浅瀬に洗う女」
...これらの妨げの二三だけを切り離して考察してみたところで...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...あなたを人間たちから切り離してだんだん深く口を開く...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...その一つ一つを切り離して...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...最初の接吻も……すべて黒吉の周囲から「葉子」を切り離しては考えられないのだ...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...この像を天平から全然切り離してしまうのも同様に考えものである...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...しかるに顔を切り離したトルソーになると...
和辻哲郎 「面とペルソナ」
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