...藤田師の言は、切々として、わたくしの胸をうった...
海野十三 「第四次元の男」
...請願書には鉱毒惨害の状をのべて愴々の気が切々と行間にみなぎっていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...我々はじつにその足らぬもの欠けているものを切々と感じ...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...哀韻(あいいん)切々と耳を打ってきました...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...田舎の第一線で孤独に戦っている自分には切々と感ぜられるのである...
中井正一 「地方文化運動報告」
...切々として人の官覚を動す力があつた...
永井荷風 「里の今昔」
...切々と心情から慟哭的(どうこくてき)に歌われている...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...却つて胸の中に深く切々と折り畳まれた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...鹿の鳴く声きけば吾妹子の夢忍ばるゝ――云々といふ唄のメロデイを切々と伝ふてゐた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...切々と迫るような声であった...
山本周五郎 「風流太平記」
...伊兵衛はいつかその音調に強く惹きつけられている自分を感じた……大絃はそうそうとして急雨のごとく小絃は切々として私語のごとし...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...山本毎氏)が切々と歌っているのに...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...悲しみをあらわす事には嫋々(じょうじょう)切々として...
夢野久作 「能とは何か」
...すぐ崖下から聞えてくる尺八の呂律は切々として新九郎の胸に迫るのだった...
吉川英治 「剣難女難」
...馬騰(ばとう)の非業の死を切々と弔(とむら)い...
吉川英治 「三国志」
...すでにこのまま離したくもない気もちがどこかで切々としていたのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...小絃は切々として私語(しご)のごとしという形容(ことば)のままだった...
吉川英治 「親鸞」
...東洋的な身の処置と生き方は切々と古典の筆者もその行動に希求してやまない風がある...
吉川英治 「随筆 新平家」
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