...宿坊を出る時に、一ヶ月の馴染を重ねた納所先生は、柔かい白い餅に、細かに篩つた、稍青味を帶びた黄粉をつけて、途中の用意にと持たして呉れた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...伊豆から出る沢田石で模刻させて見ると...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...茶呑茶碗を取りに縁側へ出る...
太宰治 「春の枯葉」
...取次に出るような者は...
田中貢太郎 「春心」
...東京へ出るたびに...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...向こうをごらん月は出る...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...お台所町へ出ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...二人は臺所を拔けて店先へ出る...
長塚節 「菜の花」
...「出るまえにちょっと誘ってくれ...
夏目漱石 「三四郎」
...此方から追ん出ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かうした世帯道具が出るのは...
林芙美子 「シベリヤの三等列車」
...……いったい、三人はその晩、蛤汁が出ると、忠助は妹娘のおさよと弟の市造に、このごろ虎列剌が流行(はや)っているから、蛤など喰うな、と独言のように三度もくりかえしたというのです...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...時間となり、二部へ出る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...一日か二日の内に倫敦(ロンドン)から船が出るといふので...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...千葉道場の代表として出る...
山本周五郎 「花も刀も」
...自身中軍から埠頭(ふとう)へ出ると...
吉川英治 「三国志」
...祖父(ぢぢ)は母の部屋を出る姿を見送り...
若松賤子 「黄金機会」
...右の廊下は書斎と客間の前へ出るようになっていた...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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