...智惠子はヨロヨロと足場を失つて思はず吉野に凭(よ)り掛(かゝ)つた...
石川啄木 「鳥影」
...仰向けに凭(もた)れて...
泉鏡花 「瓜の涙」
...椅子の凭れを離れると...
江戸川乱歩 「五階の窓」
...例の茶の間の長火鉢(ながひばち)に凭(もた)れて...
江戸川乱歩 「接吻」
...彼は物足りないのでふらふらと出て来たものの他に行く所もないので橋の欄干へ凭れるともなしに凭れたところであつた...
田中貢太郎 「牡蠣船」
...バスの後窓に凭れたまま...
田中英光 「オリンポスの果実」
...そこの手摺に凭れてあなたが陸上の川北氏と話をしていました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...私は右舷の欄干に凭(もた)れて伊吹山の頂にかゝる雲と...
近松秋江 「湖光島影」
...「遅い奴だの、何をしとるのか」袋持が、膝を抱いて、床柱へ凭れた時、草履の音がした...
直木三十五 「南国太平記」
...長火鉢に凭(もた)れたまゝ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...凭(もた)れて酒を呑んで居たといふ障子に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...十八世紀風のひだの多い洋服を着て椅子に凭(よ)りかかって張店(はりみせ)をしたのを...
長谷川時雨 「勝川花菊の一生」
...陽(ひ)の光の圧迫が弱まってゆくのが柱に凭掛(よりかか)っている彼に...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...――ライフルを構へて柿の幹に凭つた...
牧野信一 「鵞鳥の家」
...私はよく母の膝に凭(もた)れて眠ることがあった...
室生犀星 「幼年時代」
...二人が晴れて……夫婦になれたときっていう」「ゆうべね」おけいはそっと宇之吉の胸に凭(もた)れかかって...
山本周五郎 「追いついた夢」
...凭(もた)れかかるようにしてやった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...姉は蹲んだまゝ背を柱に凭らせて幕の方を向いてゐたが...
横光利一 「悲しめる顔」
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