...灰捨てて白梅うるむ垣根かな加ふるに凡兆(ぼんてう)の予等の為に夙(つと)に津頭(しんとう)を教ふるものあり...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...凡兆のいうこの頃は小粒になりぬ五月雨で...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...凡兆の句は大方清新にしてしかもどことなく大きいところのある――仮りに彫刻にたとえていえば鑿(のみ)の使いようがずばずばとくったくなく大きい――というのも畢竟(ひっきょう)この写生からくる強味なのでありましょう...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...呼かへす鮒売見えぬあられかな 凡兆句意は...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...その点においては「猿蓑(さるみの)」の選者として去来の兄弟分に当たる凡兆か...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...凡兆も流石に不機嫌になった...
太宰治 「天狗」
...ゆがみて蓋(ふた)のあわぬ半櫃(はんびつ)凡兆(ぼんちょう)草庵(そうあん)にしばらくいては打ちやぶり芭蕉(ばしょう)(昭和七年五月...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...市中は物のにほひや夏の月 凡兆夏の晴れた宵の無風状態を「物の匂ひ」で描いたものである...
寺田寅彦 「天文と俳句」
...凡兆は中音域を往来するセロ...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...この頭の働きの領土の広さと自由な滑脱性とに関して芭蕉と対蹠的(アンチポーダル)の位置にいたのはおそらく凡兆のごとき人であったろう...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...しかしこれは決して凡兆という人の特異の天分を無視してこの人をこれだけの点から非難する意では毛頭ないのである...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...この凡兆の句にある楠も...
堀辰雄 「雪の上の足跡」
... 門前の小家(こいえ)もあそぶ冬至かな凡兆(ぼんちょう)冬至とは日の短き極端にして一陽来復の日なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...○○○○○雪積む上の夜の雨 凡兆といふ下十二字を得て後...
正岡子規 「俳諧大要」
...凡兆の俳句緊密にして一字も動かすべからざる『猿蓑』を見て知るべく...
正岡子規 「俳諧大要」
...芭蕉また凡兆に対して「俳諧もさすがに和歌の一体なり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...凡兆の句複雑といふほどにはあらねど...
正岡子規 「俳人蕪村」
...凡兆の「古寺の簀の子も青し冬がまへ」という句があるが...
室生犀星 「庭をつくる人」
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