...凝然として小さくうずくまる若者ののらしい黒点を見つめていた...
有島武郎 「或る女」
...凝然として延び広がっていた...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...凝然として行く手を見守っている...
有島武郎 「二つの道」
...眼は凝然と竹山の筆の走るのを見た儘...
石川啄木 「病院の窓」
...李剛 (凝然と立っている)驚いた...
林不忘 「安重根」
...凝然と、しかしまだその場の仕儀がさっぱり合點が行かないといったふうの妙にぼんやりした眼つきで、彼はヴェリチャーニノフを見つめた...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...春がもう過ぎて畢ふと喚び挂けるやうに窮屈な皮の間から手を出して棕櫚の花が招いても只凝然として死んだやうである...
長塚節 「隣室の客」
...すべての怯懦(きょうだ)のさ中に凝然と身を固め直立して歩かなくてはならない...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...凝然と直立している...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...真名古は向い側の歩道の電柱の陰に腕組みをしながら凝然と突立ち...
久生十蘭 「魔都」
...凝然と真名古の面を注視している...
久生十蘭 「魔都」
...まばたきも見えぬ碧(あお)い眼が凝然としていた...
本庄陸男 「石狩川」
...この! 何時来るとも解らない列車を待ちながら凝然と吹きさらしのプラツトホームに立つて三角のタヴレツトを捧げてゐるこの駅長に僕は痛烈な皮肉を感ぜずにはゐられない...
牧野信一 「日記より」
...デトレフは凝然と立ちすくんだ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...凝然と無言であてもなく...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...その縫ひ方のつつましさなどを凝然と見つめた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...そのくろずんだ姿をいつまでも凝然と座らせていた...
室生犀星 「しゃりこうべ」
...凝然として何かを狙っている...
室生犀星 「とかげ」
便利!手書き漢字入力検索