...凝然として行く手を見守っている...
有島武郎 「二つの道」
...唐招提寺の鑑真和上の坐像のやうな凝然とした静坐の像に対して此をじつと見てゐると...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...黒い建物に挟まれて数えきれない女の顔が凝然といならび...
谷譲次 「踊る地平線」
......
富澤赤黄男 「天の狼」
...耳にばかり手頼る彼等の癖として俯向き加減にして凝然とする...
長塚節 「太十と其犬」
...春がもう過ぎて畢ふと喚び挂けるやうに窮屈な皮の間から手を出して棕櫚の花が招いても只凝然として死んだやうである...
長塚節 「隣室の客」
...私は凝然として見て居た...
長塚節 「隣室の客」
...弁護士に次のように言われて凝然としてしまったのも...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...例によって真名古が孤影凝然と坐っている...
久生十蘭 「魔都」
...白い灰をかぶった燠(おき)を見ながら彼は凝然としていた...
本庄陸男 「石狩川」
...餅撒きの阿賀妻は川に向って凝然としていた...
本庄陸男 「石狩川」
...この! 何時来るとも解らない列車を待ちながら凝然と吹きさらしのプラツトホームに立つて三角のタヴレツトを捧げてゐるこの駅長に僕は痛烈な皮肉を感ぜずにはゐられない...
牧野信一 「日記より」
...彼はしばらく凝然とたたずんでいたが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...凝然と例の芸術品を見つめるようになった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...凝然と立ちすくんでしまった...
柳田国男 「故郷七十年」
...菜葉服姿の中野学士が凝然と突立って見下している...
夢野久作 「オンチ」
...――すると、その若僧は、手も出さずに、何か、凝然として、かすかな顫(ふる)えを全身に走らせたと思うと、ふいに、網代笠の内からさけんだ...
吉川英治 「大岡越前」
...そして、凝然と、あとに立ち残っている義平太の影を、そこからもいちど振り向いて、ニタと、白い歯を見せたと思うと、内からどんとそこを閉める音がした...
吉川英治 「大岡越前」
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