...凝然として小さくうずくまる若者ののらしい黒点を見つめていた...   
有島武郎  「或る女」 
...鉛のように凝然と動かず...   
太宰治  「八十八夜」 
...凝然として突っ立っていた...   
橘外男  「グリュックスブルグ王室異聞」 
...ぜんたいが遅々とそして凝然と押し流れてゆく...   
谷譲次  「踊る地平線」 
...いつまでも凝然としていたのでありました...   
豊島与志雄  「白塔の歌」 
...胸に充満しながらどこまでもひろがってゆくような感慨をもって凝然と...   
中勘助  「母の死」 
...たまたま見つかるものは、顔はそれと見分けのつかぬほどに変わり果て、わずかに服の端の縫い取りの名にそれと確かめ、泣くのも忘れ、凝然と、傍(そば)に棒立ちになったまま...   
永井隆  「長崎の鐘」 
...屈み加減に凝然と...   
中村清太郎  「ある偃松の独白」 
...東野は凝然と立止りました...   
野村胡堂  「奇談クラブ〔戦後版〕」 
...すべての怯懦(きょうだ)のさ中に凝然と身を固め直立して歩かなくてはならない...   
原口統三  「二十歳のエチュード」 
...凝然と直立している...   
久生十蘭  「墓地展望亭」 
...毎夜夜半まで官舎の古びた机に倚って孤影凝然と犯罪学(クリノロジイ)の研究に従っている...   
久生十蘭  「魔都」 
...白い灰をかぶった燠(おき)を見ながら彼は凝然としていた...   
本庄陸男  「石狩川」 
...あの位ひ凝然と見透せさせたといふことは...   
牧野信一  「淪落の女の日記」 
...デトレフは凝然と立ちすくんだ...   
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」 
...いつまでも凝然として動かなかった...   
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」 
...凝然と無言であてもなく...   
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」 
...凝然と耳を傾けていた候補生は...   
夢野久作  「戦場」 
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