...凝然として花に對する時...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...そう彼は言っていたよ」栄介は凝然として黙っていた...
梅崎春生 「狂い凧」
...鉛のように凝然と動かず...
太宰治 「八十八夜」
...黒い建物に挟まれて数えきれない女の顔が凝然といならび...
谷譲次 「踊る地平線」
...孝太郎はその時凝然として立ち止った...
豊島与志雄 「囚われ」
...東野は凝然と立止りました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...瞳は凝然として微動もしません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...真名古課長が孤影凝然と坐っている...
久生十蘭 「魔都」
...私は酷くテレ臭い格構で石のやうにギゴチなく凝然としてゐるばかりであつたが(私は正当な乗手になつて前方を視詰めてゐるわけにも行かなかつた...
牧野信一 「鱗雲」
...彼の視線は何時も凝然と私の上に注がれてゐた...
牧野信一 「心象風景」
...……すると――おそらく僕が余りに凝然と眼を視張って眼ばたきもしないでいるために起る視覚の錯誤なのだが...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...はじめは驚きのあまり凝然としていたが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...彼はしばらく凝然とたたずんでいたが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...彼は凝然と眼を据えた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...いつまでも凝然として動かなかった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...凝然と驚いて瞠って眺めた...
室生犀星 「庭をつくる人」
...菜葉服姿の中野学士が凝然と突立って見下している...
夢野久作 「オンチ」
...――玄徳は倦(う)まず動かず、なお凝然と、さめる人を待っていた...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??