...凝然として花に對する時...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...何を見るともなく凝然と見定めた目の前に...
有島武郎 「或る女」
...そこには石のやうに黙した水の塊的(マツス)が凝然として澱んでゐるばかりだ...
有島武郎 「運命と人」
...凝然として行く手を見守っている...
有島武郎 「二つの道」
...凝然と動かなくなっていた...
谷崎潤一郎 「鍵」
...太十は凝然と目をしかめて居る...
長塚節 「太十と其犬」
...春がもう過ぎて畢ふと喚び挂けるやうに窮屈な皮の間から手を出して棕櫚の花が招いても只凝然として死んだやうである...
長塚節 「隣室の客」
...私は凝然として見て居た...
長塚節 「隣室の客」
...屈み加減に凝然と...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...凝然と真名古の面を注視している...
久生十蘭 「魔都」
...白い灰をかぶった燠(おき)を見ながら彼は凝然としていた...
本庄陸男 「石狩川」
...其処に並んでゐる一列の囃子方は凝然と端座して眼ばたきもしない神経質の眼で...
牧野信一 「円卓子での話」
...いつまでも凝然として動かなかった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...彼女は消えてしまった――物言わず凝然と...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...声も出ないで凝然と見戍(みまも)っていた...
室生犀星 「蛾」
...凝然として何かを狙っている...
室生犀星 「とかげ」
...凝然と立ちすくんでしまった...
柳田国男 「故郷七十年」
...菜葉服姿の中野学士が凝然と突立って見下している...
夢野久作 「オンチ」
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