...彼は母の乳を知らぬことに爾来一層冷淡になつた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...家族とか財産とか社会的地位とか云うことには自然と冷淡になっているのです...
芥川龍之介 「手紙」
...實際今日以上に彼等の運命に冷淡になり得やうがない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...ろくろく口もきかずに冷淡に構えているが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...して見るとこの二年のあいだに――と私は、二階の部屋部屋を歩き廻りはじめながら心に思った、私たちは前より賢明にも、冷淡にも、平静にもなっていないのだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...」編輯長は冷淡に会釈をして...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...半ば眠ってる駅員らの冷淡にぶつかるばかりだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...学生時代のように冷淡に骨の痛さを訴えるのが特徴などと言ってはおられぬ...
永井隆 「この子を残して」
...冷淡になったのではないだろうけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...「癒らないことはございますまい」「癒るものか」いよいよ冷淡にハネ返すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...それから今までの冷淡に引(ひ)き更(か)えて急に騒ぎ出した...
夏目漱石 「永日小品」
...むしろ冷淡に近い受答えばかりしていた...
夏目漱石 「道草」
...決して悪い事はないからね――それでやって来たのさ」「御苦労様」と主人は冷淡に答えたが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...真名古はうるさそうに眉を顰めて冷淡に頷くと...
久生十蘭 「魔都」
...が、こう冴えている時でも、昇の顔さえ見れば、不意にまた眼の中(うち)を曇らして、落着いて、冷淡になッて、しまう...
二葉亭四迷 「浮雲」
...冷淡にしてやろうと思ったが...
山本周五郎 「風流太平記」
...おめでとう」七兵衛は冷淡に会釈を返した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...この頃は極めて冷淡になってきた...
吉川英治 「鬼」
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