...自分の胸のうちを冷たい刃物がさしつらぬいてゆくように感じたのだった...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...下からスウッと冷たい風が吹いてくるので...
田中英光 「箱根の山」
...笹村の小さい冷たい手には...
徳田秋声 「黴」
...北から冷たい風が吹く...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...元来やせてはいるし、顔色は青白いし、冷たいし、硬(こわ)ばってるし、変な臭(にお)いがするし、死んだところで大した変わりはないだろう...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...車が馳(か)け出すと冷たい風が膝掛と杉箱の間から吹き込んだ...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...冷たい縁を素足(すあし)で踏みながら...
夏目漱石 「文鳥」
...勝次の身體は冷たい石の上にうつむいて横たはつてゐた...
新美南吉 「椋の實の思出」
...A教授は冷たい頭脳をもった若い学者で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...「親分、どうしましょう」お紋は根も力も抜けてしまったように、冷たい畳の上へ、ヘタヘタと坐り込んでしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それが冷たい鐵色に光つて居るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...近代の(経験論)哲学の基本的原理は、色、音、味、匂い、熱い、冷たい、など(の知覚)についての見解である...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...冷たいものガブガブ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...水は冷たい火は熱いといえば...
正宗白鳥 「論語とバイブル」
...冷たいこの土はそれを見ていたのだ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...冷たい眉をそろえて沈黙をまもっていた...
吉川英治 「源頼朝」
...冷たい! 酒が歯にしみる」伝七郎と呼ばれた男は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...冷たい美しさを持って...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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