...自分は冒険的なことはしない...
谷崎潤一郎 「細雪」
...心情のやさしいカンディードの冒険的な運命物語りで...
戸坂潤 「読書法」
...すこぶる冒険的なところのある彼女は...
夏目漱石 「明暗」
...冒険的な淵(ふち)へ飛び込んでゆける力が湧(わ)いて来る...
林芙美子 「浮雲」
...一人の冒険的な青年が...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...おそらく冒険的な英国人だったのでしょう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...出帆後間もなく鳥渡冒険的な...
牧逸馬 「運命のSOS」
...ある冒険的なよろこび...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...隠居は、それからそれへと、闇太郎から、これまでの、冒険的な生活の、告白を聴きたがって、話の緒口(いとぐち)を、手繰(たぐ)り続けていたが、ふと、平馬の存在を思い出したように、「おお、そう申せば、平馬、その方、一松斎に別れて、自流を立てるという、決心をしたそうだが、まずさし当って、如何(いかが)いたすつもりだ?」平馬は、隠居の赧ら顔が、自分の方へ向けられたので、漸(ようや)くほっとして、険のある目元に、急に、諛(へ)つらいに似た、微笑さえ浮かべて、「実は、それにつき、日頃の御恩顧(ごおんこ)に甘えて、真直ぐに、御当家に拝趨(はいすう)いたした次第でござりますが――一松斎、年来の情誼(じょうぎ)を忘れ、某(それがし)を破門同様に扱いました限りは、拙者も意気地として、どうあっても、彼の一統を見返さねばなりませぬ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...そうした冒険的な緊張味の中に彼女は言い知れぬ神秘的な生き甲斐を感じつつ生きて来たものであろう...
夢野久作 「少女地獄」
...お手のものの患者の中から選み出した第三者の私を使って極めて冒険的な発表を決行させるべく...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それこそ紀国屋文左衛門式の非常な冒険的な難航海の後(のち)...
夢野久作 「名娼満月」
...かくして封建制度は、暴力的な、また冒険的な、職業戦士階級を産み出したのであった...
和辻哲郎 「鎖国」
...船から遊離した冒険的なポルトガル人が...
和辻哲郎 「鎖国」
...エンシソはこの冒険的な男を戦士として使うつもりで保留して置いたのである...
和辻哲郎 「鎖国」
...ここに我々は当時の『征服者』の冒険的な性格をはっきりと看取し得るであろう...
和辻哲郎 「鎖国」
...彼らの冒険的な労苦は公共的な意義を獲得することなく闇から闇へと流れてしまった...
和辻哲郎 「鎖国」
...東アジアの海上の冒険的な貿易商人たちの世界は...
和辻哲郎 「鎖国」
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