...私としたらそう簡単に済ませる筈のもんじゃあないがな」「それは僕からも再々云い聴かせておるんです...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...夜の戸じまりをし忘れることは再々のことだった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...「アレは取りに来る様に再々家族の方へ言ってあるんですがね...
戸田豊子 「鋳物工場」
...その金切声が再々入っているはずですけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...さいぜんからお角が、再々キリシタン、キリシタンを口にしたればこそ、これがいわゆるキリシタンの油絵というものかと思われる...
中里介山 「大菩薩峠」
...再々申し上げる通り...
中里介山 「大菩薩峠」
...乙松の本当の親へ強請(ゆすり)に行ったんだろう――再々の事で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...再々危うくなる)わしは何も知らぬ...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...金助町へお出かけになりゃあいいのに」「再々でな...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...エカテリネンブルグ出身のスヴェルドロフに手紙や電報で再々引渡しの要求をしたがなんの応答もなかった...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...前にも再々聽いて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...第一の奇蹟1)は吾々が再々見ているが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...兄高氏の幽居へ近づきかけたことは再々だった...
吉川英治 「私本太平記」
...あるじの成輔の使いで、再々、垣間見(かいまみ)あっていた相思のふたりは、やがて、北山殿の花の御遊(ぎょゆう)の折、花の下で結ばれた...
吉川英治 「私本太平記」
...おそらく馬で飛ばした所も再々であったのだろう...
吉川英治 「私本太平記」
...事、再々に及ぶので、亭主どもがへんに思って、だんだんと探ってみるに、当日、主君の師直は、女房連があゆむ細殿の簾(れん)の蔭にいて、つぶさに彼女らの品(しな)さだめを味わい、やがて遊宴のあいだには、お名ざしで、別殿の奥へ引き抜いてゆく...
吉川英治 「私本太平記」
...元々、淫蕩(いんとう)の血は母の閻婆(えんば)にあったものだろうが、その閻婆すらが、時には階段の下で舌ウチするほど、二階の帳(とばり)の内で男にさいなまれる彼女の体が、囈言(うわごと)じみた情炎の悲鳴を洩らしているなども、再々だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...再々仲人を介してごたごたの繰返しが始まったが...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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