...再々悪(あ)しざまに罵り居った...
芥川龍之介 「邪宗門」
...再々増築の手数と費用を我慢したことであった...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...また、帰国が近づいた頃、うす汚い、真鍮(しんちゅう)のロケットをぼくにくれた、カアペンタアという八つ位のお嬢さんも、ぼくと仲が善(よ)く、再々、彼女の宅にも引張って行かれました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...私としたらそう簡単に済ませる筈のもんじゃあないがな」「それは僕からも再々云い聴かせておるんです...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...「アレは取りに来る様に再々家族の方へ言ってあるんですがね...
戸田豊子 「鋳物工場」
...再々油絵というものを見ているのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...考えるだけは考えてみたことも再々でした...
中里介山 「大菩薩峠」
...それですから、弁信から、その危険の前進性なきことを保証されてみると、弁信の保証だけに信用して、ホッと胸を撫(な)でおろし、「ドコで調練やってるんだい」「あれはね、そうですね、鳥羽伏見あたりで歌っているのですよ、練習のために停滞して歌っているので、前進の迫力を持って歌う声ではありませんから、安心なさい」「そうかね」そこで、再々安心して、行手に向って歩みをつづけましたが、その軍歌の声は、いよいよあざやかに耳に落ちて来る...
中里介山 「大菩薩峠」
...乙松の本当の親へ強請(ゆすり)に行ったんだろう――再々の事で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...エカテリネンブルグ出身のスヴェルドロフに手紙や電報で再々引渡しの要求をしたがなんの応答もなかった...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...てつきり悪魔がうづくまつてゐるのぢやないかと思つたことも再々のことでな...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...前にも再々聽いて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...兄高氏の幽居へ近づきかけたことは再々だった...
吉川英治 「私本太平記」
...事、再々に及ぶので、亭主どもがへんに思って、だんだんと探ってみるに、当日、主君の師直は、女房連があゆむ細殿の簾(れん)の蔭にいて、つぶさに彼女らの品(しな)さだめを味わい、やがて遊宴のあいだには、お名ざしで、別殿の奥へ引き抜いてゆく...
吉川英治 「私本太平記」
...お寒くはございませぬか」などと再々見舞った...
吉川英治 「新書太閤記」
...けれど、どこまでも謙譲(けんじょう)を装(よそお)って、再々辞退したが、端王のおゆるしがないので、「では、ほんの素人技(しろうとわざ)の嗜(たしな)みに過ぎませぬが」と、中央へすすみ出て、毬(まり)十法、ひと通りの型を演じてみせた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...元々、淫蕩(いんとう)の血は母の閻婆(えんば)にあったものだろうが、その閻婆すらが、時には階段の下で舌ウチするほど、二階の帳(とばり)の内で男にさいなまれる彼女の体が、囈言(うわごと)じみた情炎の悲鳴を洩らしているなども、再々だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...私の身體全體の痛み出す樣な感覺に襲はるる事が再々あつた...
若山牧水 「山寺」
便利!手書き漢字入力検索