...貴郎(あなた)の方でも綺麗(きれい)さつぱりと秋子さんを円満に青木家に渡して下さるのでせうね」こんな事を云はれた...
犬養健 「愚かな父」
...この気質を円満に育て上げることが女子教育の心掛くべき大切な点であるが...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...その間に常識が発達して且つ円満にあらゆる方面に働いたのである...
大隈重信 「明治文明史上に於ける福沢翁」
...私がクローヂヤスどのと結婚したとは言っても、別段よそのお城へ行くわけでなし、今までどおりに、やっぱりハムレットの実母として、一緒に暮して行く筈(はず)ですし、また、現在の王も、もともと他人ではなし、ハムレットとあんなに仲のよかった叔父上なのですから、ハムレットさえこの頃のひがんだ気持を、ちょっと持ち直してくれたら、すべてが円満に、おだやかに行くものと、私は思います...
太宰治 「新ハムレット」
...結婚しても到底円満に行かないことが認められたら...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...至極円満に治まつてゐるのだが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...それを聞いてたけり立ち悶絶(もんぜつ)して場外にかつぎ出されるクサンチッペ英(はなぶさ)太郎君のあとを追うて「せっかく円満になりかけた家庭を滅茶滅茶にされた」とわめきながら退場するのは最も同情すべき役割であり...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...急転! 円満に解決」と例の大きな活字の見出しが出ている...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...帰り給え」それで万事円満に落着した...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...両説が円満に妥協しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...こうして円満に人情主義をやり通したが...
中里介山 「大菩薩峠」
...円満に遂行する興味も有(も)たなかつた...
夏目漱石 「それから」
...けだし学問の最大目的は人間を円満に発達せしむることである...
新渡戸稲造 「教育の目的」
...この夫婦は円満にいかずに離婚したのだつた...
三宅周太郎 「中村梅玉論」
...円満に近い心を抱いて...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...男女が互(たがひ)に助成して社会を円満に形造(かたちづく)るのは二十世紀以後の文明に賦与された幸福である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...これで一おう和解は円満にまとまったといえる...
吉川英治 「私本太平記」
...礼儀作法を持たねばならぬぞ」「はい」「人と人とが円満に住んでゆければ地上は極楽だが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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