...蚊帳其者の感じが既に夏らしく爽かな氣分を誘つて來る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...私は其者で無え...
石川啄木 「赤痢」
...然れども独乙には実際寒威其者よりも寧(むし)ろ氷雪の為めに飼料を求むる能はざるが為めに飢死する小動物ありと聞く...
石橋忍月 「舞姫」
...生きた木虱其者を産むのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...先ず民衆其者を持つ事から始めよ...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...生活其者の装飾とするようになると云う事は...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...生活其者が其の立派な観物になる...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...然(け)れども俺(おれ)其者(そのもの)は至(いた)つて微々(びゞ)たるもので...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...彼等が死骸其者を売買する醜怪な悪鬼どもであったとしても...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...其者ひとり王たらむ』...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...他に先んじて凶運と死とに其者出で逢はむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...100死と運命と臨めるは我が兩人の中いづれ?其者は逝け...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...其者誠に勇にして戰つねに飽かずとも...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...之によりて自然主義其者の議論の精錬を促し...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...斯ういふ論議上の矛盾を指斥したのみで自然主義其者が直ちに破れたと見るは間違である...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...議論其者が別にどうなるものでは無くとも...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...一ト言(こと)心(こゝろ)に染(そ)まる事(こと)のあれば跡先(あとさき)も無(な)く其者(そのもの)可愛(かわ)ゆう...
樋口一葉 「われから」
...其者を連れ来れ搏ち殺すべしとて怒りける時楼上に居たれば多くの弟子ども交る/\楼に出て詫を言へども承引せず...
三木貞一 「初代谷風梶之助」
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