...蚊帳其者の感じが既に夏らしく爽かな氣分を誘つて來る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...┌──┐ ┌──┐│ │ │ ││ ←┘ └→ │└──────────┘(臓腑 其者は浸水された畜舎とは異るものであらうか)...
李箱 「二十二年」
...疫其者より巡査の方が嫌はれる...
石川啄木 「赤痢」
...先ず民衆其者を持つ事から始めよ...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...生活其者が吾々の光栄ある観物になる筈である...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...彼等が死骸其者を売買する醜怪な悪鬼どもであったとしても...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...其者にわれ與ふべし一輛の戰車並びに一双の 310駿馬...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...其者に 350其親戚の男女らは火葬の禮を致すまじ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...懷疑論者の論議其者が已に幾多の概念や矛盾律や三段論法やを道具に使つて居る...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...之によりて自然主義其者の議論の精錬を促し...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...斯ういふ論議上の矛盾を指斥したのみで自然主義其者が直ちに破れたと見るは間違である...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...具體的の經驗を離れて抽象的思考其者に價値を認むる者は正金を離れて紙幣や手形が價値を有すると思ふ者と選ばない...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...其者に依頼して二生の身辺を探偵させた...
永井荷風 「来訪者」
...目的其者(そのもの)である...
西田幾多郎 「我が子の死」
...却つて自分が其者より恨まれる如き人間を養成するのであらうか...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...吾妻鏡其者のみに就きて爲したる考察にして...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...一ト言(こと)心(こゝろ)に染(そ)まる事(こと)のあれば跡先(あとさき)も無(な)く其者(そのもの)可愛(かわ)ゆう...
樋口一葉 「われから」
...其者は立派に陳述して居るではないか...
平出修 「逆徒」
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