...近世に於ける資本主義的な個人の自覚によって初めて公然と哲学の日程に上ったのではあるが...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...登録労働者は丁度官吏や公吏と同じに公然と登録されているのだからもはや決してルンペンなどではない...
戸坂潤 「社会時評」
...現在自分の花嫁を公然とあの女に見変えた以上...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そして私はもう公然と笹部と一緒に...
豊島与志雄 「叔父」
...彼女の家へ公然と行くわけにもゆかないものですから...
豊島与志雄 「香奠」
...二人は公然と許婚(いいなづけ)みたいな交りをすることになった...
豊島与志雄 「反抗」
...貧乏な身分柄も顧みず余りに公然とそうした振舞いをするのが...
豊島与志雄 「三木清を憶う」
...公然とお約束致しましょう...
豊島与志雄 「無法者」
...公然とかくの如き試みをする事は出來ない事であつた...
内藤湖南 「概括的唐宋時代觀」
...天下公然としての交易になりましょうが――安心して...
直木三十五 「南国太平記」
...子供が公然とバアに入って行くには...
久生十蘭 「母子像」
...彼は公然とその罪を責めもしないし...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...共産主義者は原則として公然と活動するのが立てまえのように私は承知しているし...
三好十郎 「清水幾太郎さんへの手紙」
...半ば公然と治療できるようになった」と半太夫は云った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...此(かく)の如く公然と官私の仕事に喰い込んだ職業婦人の職業だけを...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...なぜならば、その後、半瓦の部屋の者が、口を極めて、いいふらしたばかりでなく、街の辻々に、公然と、こういう立て札を幾十となく江戸中へ建てたからであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...公然とはできない吉良邸の警戒に...
吉川英治 「無宿人国記」
...ことに寺院附屬のこの宿院で公然と酒を飮むのも惡からうと...
若山牧水 「比叡山」
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