...貪慾に歓喜を求めるのは享楽を全うする所以ではない...
芥川龍之介 「僻見」
...天寿を全うすることあたわざるは...
井上円了 「おばけの正体」
...或はいや/\乍ち長壽を全うするかも知れぬ...
土井晩翠 「「晩翠放談」自序」
...板垣伯と同盟して亦之れと調和を全うする能はず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...政變は必らず彼れの歸朝後に起る可きを豫想したりき果然彼の歸朝と共に一個の公問題は政變の前驅となり出でたりき曰く大隈を外務に入れ松方を大藏に擧ぐるは戰後に經營を全うする刻下の急要なりと而して彼は此問題の發議者として數へらるゝのみならず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...鏡に面(つら)をうつして分を守るは身を全うするの道たるを思はば襤褸買必しも百損といふを得んや...
永井荷風 「桑中喜語」
...女の身を全うするの道古来唯従ふの一語のみ...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...身を全うするのが賢明だとさとったものでしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...私が父に服從してもしませんでも兩方の父は到底交誼を全うすることは出來ないのです...
長塚節 「教師」
...妻の道を全うするためだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...所謂内助の力を以て戸外の体面を全うするものあるのみならず...
福沢諭吉 「女大学評論」
...恥辱を雪(そそ)ぎ名誉を全うするには...
慶応義塾 「修身要領」
...気品高尚にして能(よ)く独立の趣意(しゅい)を全うする者ありと聞けば...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...天壽を全うすることなく死ぬやうな運命に...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...しかも遂に天年(てんねん)を全うするに至らざりしは千古の惨事とすべし...
正岡子規 「墨汁一滴」
...静かに一生涯を全うするようにお育てなさるがよい――と...
吉川英治 「新書太閤記」
...人生の終わりを全うするということで...
吉川英治 「親鸞聖人について」
...飽くまで勝つ! 飽くまで天寿を全うするまで勝ち抜いて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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