...一時に光焔を放たしめるだけの大風のやうな雄々しい力が潜んでゐる事も事実だつた...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...沼南が議政壇に最後の光焔(こうえん)を放ったのはシーメンス事件を弾劾(だんがい)した大演説であった...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...かかる光焔頭より肩より彼に耀かし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...天と地が激突したような光焔と音響とが起り...
豊島与志雄 「落雷のあと」
...狩谷望之が古京遺文にて讀みたりし光焔背の銘...
内藤湖南 「寧樂」
...廬遮那如来、北方不空成就如来、西方無量寿仏、十万世界一切の諸仏、各々本尊を貌(うつ)して、光焔を発し、一切罪を焚焼して、幼君の息災を垂れ給え」それは、人間の声でなく、人間のもっている精神力の音であった...
直木三十五 「南国太平記」
...崩れた防風林の誇りかな歌の間に失われた自由の嶺は鋭く身を反らそうとする!)褐色の急潮が鳥のようにきらめく紫色の翼をあげて黒い漁船の列りを載せた端正な海の横顔をはたとうつとめくるめく光焔を青い鉱床に転がしながら太陽な天空の剥片をめぐりながら一色に塗り潰された宇宙の片麻岩の岩壁のすきまえ沈んで行く二つの空は明るい暗の中に溶けこみ黒い海狼と共に...
槇村浩 「青春」
...彼れの議論奚(いづくん)ぞ光焔あり精采あるを得んや...
山路愛山 「明治文学史」
...高熱瓦斯(ガス)の大光焔...
夢野久作 「オンチ」
...油紙に火が附いた以上の雄弁の大光焔がどうして燃上らずにおられよう...
夢野久作 「近世快人伝」
...その烈々たる光焔の中に大地を四十五度以上の角度から引き包んでいた...
夢野久作 「巡査辞職」
...到底内部の光焔を盛るに堪へぬ所から...
横瀬夜雨 「花守」
...瞬間の光焔の中には見上げたものの魂がみんな燃えてしまった...
吉川英治 「銀河まつり」
...その光焔は満天の星を晦(くろ)うするばかりだったが...
吉川英治 「三国志」
...どうしてその生命の光焔(こうえん)に...
吉川英治 「新書太閤記」
...それは光焔万丈をあげて...
吉川英治 「新書太閤記」
...一条の光焔(こうえん)が河をなしているではないか...
吉川英治 「新書太閤記」
...水沫の光焔を描いているのだった...
吉川英治 「随筆 新平家」
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