...此悲しい女の心は今猶その先夫の梅次郎を慕つてゐる事を知つた...
石川啄木 「鳥影」
...若後家(わかごけ)の入夫となって先夫の子を守育て...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...先夫人は養家の家附(いえつき)娘だともいうし養女だともいうが...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...ラジオ、辻占、先夫人、犬、ハンケチ、いろいろのことがございました...
太宰治 「愛と美について」
...先夫がその女を不意に一度わが物にするようなふうに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...有楽座に長田秀雄の作先夫の子を観る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...先夫の家は子爵(ししゃく)で...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...背に負うている男の子は先夫――というても今も夫があるのではないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...先夫が人気の頂上にあった羽左衛門であることも...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...自分だけはこれから横川(よこがわ)の在(ざい)まで自分の先夫の娘を頼(たよ)って行くのだと言います...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...こんどはこれから頼って行こうとする横川在の先夫の娘のことを何かと話し出して...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...初婚に新婦が痛哉と呼ぶは、萬里同風で、笑林廣記一に一秀士新娶、夜分就寢、問二於新婦一曰、吾欲二雲雨一、不レ知娘子尊意允否、新人曰、官人從二心所一レ欲、士曰、既蒙二府允一、請二娘子一展レ股開レ肱、學生無禮、又無禮矣、及レ擧レ及、新婦曰、痛哉痛哉、秀士曰、徐々而進レ之、渾身泰矣と、同書三に有二寡婦一嫁レ人而索二重聘一、媒曰、再※與二初婚一不同、誰肯レ出二此高價一、婦曰、我還是處子、未二曾破一レ身、媒曰、眼見三嫁過レ人做二孤孀一、那箇肯レ信、婦曰、我寔不二相瞞一、先夫陽具渺少、故外面半截、雖二則重婚一、裡邊其寔箇處子...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...六条の御息所(みやすどころ)と先夫人の葛藤(かっとう)が源氏を懲りさせたともいえることであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...兵部卿の宮はお亡(な)くしになった先夫人をばかり恋しがっておいでになって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...(以上先夫人の所生)◇三女千代 明治四年未九月晦日生る...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...また真紀子の先夫の早坂も帰るだろう...
横光利一 「旅愁」
...二つには先夫と氏姓の同じな者...
吉川英治 「三国志」
...そのことは」「ちょうど今日が先夫の王さんの一周忌にあたりますのじゃ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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