...若しも同氏が腹のどん底から婦人側に対して充分な尊敬と同情とを寄せ得らるゝならば何故また私たち日本婦人としての一番手近かな痛切な問題に対して考へてゐる者に向つて理解を有せられないのだらう...
伊藤野枝 「最近の感想」
...こういう手合いには充分慣れ切っていることであったから...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...ハムレットの阿父さんは死んだのだということを充分に呑み込んでいなければ...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があるという事実を充分に自覚して...
寺田寅彦 「天災と国防」
...時間の内で歴史が起きると考えることが不充分であると同じに...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...内容の充分な発達顕現こそ...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...金銀か螺鈿(らでん)かなにかで象嵌(ぞうがん)をした形跡も充分である...
中里介山 「大菩薩峠」
...宵に一寸姿を見せて預けてある荷物を持つて行きましたが――」それで充分でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...充分の知識や財産を蓄(たくわ)えた時には...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...稽古は引取つてからでも充分させられるから其心配も要らぬ事...
樋口一葉 「十三夜」
...その時はもつと/\活気に充ちてゐた筈だ...
牧野信一 「悪筆」
...修業の爲山林へ隱れると最早俗界快樂の要求を充しやうがなくなつてしまふ...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...まだ充分に計量されてはいない...
三好十郎 「恐怖の季節」
...満足は何であるといえば覚悟の範囲を充たすという事です...
村井弦斎 「食道楽」
...また土地の人々さえもその価値を充分認識していない...
柳宗悦 「現在の日本民窯」
...そのままベッドの上に突伏したいほどの思いに充(みた)されつつ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...軍備の拡充(かくじゅう)に...
吉川英治 「源頼朝」
...君にも充分わかってもらえると思うよ...
蘭郁二郎 「魔像」
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