...氣は體(たい)に之れ充(み)つるものなり...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...首領を驚かせるに充分だったと見えて...
海野十三 「人造人間殺害事件」
...私も充分に力を入れようと思ったことであった...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...簡素、質実、感謝、充足、安心...
種田山頭火 「其中日記」
...始めの一声二声はまだ充分に眠りのさめきらぬらしい口ごもったような声であるが...
寺田寅彦 「病院の夜明けの物音」
...故に物質は空間の充実に外ならない...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...存在を充分に人間と関係づけることに思い及ばなかったハイデッガーは...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...それから充分おたっしゃになってから...
中里介山 「大菩薩峠」
...然し矢崎君の言いたいことも充分わかるような氣もするので...
中村研一 「「絵画の見かた」あとがき」
...――僕は此処へ来て此の景色を見ると毎(いつ)も何だか悲愴な厳粛な気持ちになつて祝福し度い心に充たされるんですよ...
長與善郎 「青銅の基督」
...廊下は真っ黒な煙が充満していた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...然し私の意のあるところを充分理解したらしいところがあつた...
三好十郎 「肌の匂い」
...アリストテレエスが詩學にて早くも充分に發揮せられたるものなきにあらず...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...もしあなたがたが大事を成しとげて、一国を取り、十州二十州を平らげ、あわよくば天下に号令なさろうという筋書きのとおりに行ったらば、私へも充分に、利をつけて、今日の馬代金を払っていただきたいのでございます...
吉川英治 「三国志」
...充分な用意はしてある...
吉川英治 「三国志」
...天下分け目の大戦たる様相はいつのまにか充分すぎるほど準備されつくしている...
吉川英治 「新書太閤記」
...じつは意に充ちてしたこともないが...
吉川英治 「随筆 新平家」
...そのうちに鶏卵(たまご)の殻(から)から出るように、火の玉の一つ一つから驚くべき物が爆発して、空中に充満した...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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