...何處に生活内容を充實する泉を汲む可きかを知らなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...孰れにしても情事の中に溢れるほどの充實を感ぜずして...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...それは現在の社会の欠陥なり不徳なりを充分露骨に現わしているとします...
伊藤野枝 「成長が生んだ私の恋愛破綻」
...周囲には充分の食物があるとしても...
伊波普猷 「進化論より見たる沖縄の廃藩置県」
...かかる緑野の充分ある地はデュマの外にはないのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...自然を治癒に全く充分なものと認識し...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...つまり直ぐ隣りの南室へ行けば充分見る事の出来る富士の風景を...
大阪圭吉 「闖入者」
...笹村の充血したような目に強く映ったのは...
徳田秋声 「黴」
...科學の發達史などまで充分知つておかねばならぬだらうし...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...不充分に過ぎるという意味に於て不適当であるであろう...
戸坂潤 「科学方法論」
...この『唯研ニュース』でこの必要を充したいと考える...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...その目の一つ一つから穂を出させてやるくらいで充分であろう...
中谷宇吉郎 「稲の一日」
...それらはルウス・ジュッドの名で充満している...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...お一人立ちにおなりになりましても充分なように思って...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ゲッソリ陥込む眼窩(がんか)の底に勢いも力もない充血した眼球が曇りと濁った光を含めて何処か淋しそうな笑みを浮かべて……」八時ごろ...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...接待の支度をする暇は充分にあった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...高時の上意も充分いれたような最後の一案をねッて終った...
吉川英治 「私本太平記」
...この栄光に充(み)ちた無限の世界に摂取せられるのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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