...「…………」「この可哀そうな千代子さんの兄さんを殺したのは一体何処の何奴だったでしょうか! 知っている? 知らない?……では教えたげましょうか...
海野十三 「深夜の市長」
...兄さんは、卑怯(ひきょう)な人じゃないぜ...
太宰治 「正義と微笑」
...一ばん上の兄さんに逢って...
太宰治 「女神」
...やがておでん屋の前へ来ると、また、「兄さん、さあおでんを喰べておいで、お銭がなくっても上げるんだよ」と、頭の禿げた爺に声をかけられる...
谷崎潤一郎 「少年」
...嫂の兄さんがばかに律義(りちぎ)な人でね...
徳田秋声 「挿話」
...今日君の兄さんドミトリイ・フョードロヴィッチの赤裸々の正体を...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...わたしは理由(わけ)もなく殺されてしまいますからね」「イワン兄さんが今日ドミトリイを料理屋へ呼んだって?」と...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...兄さんは昨日お父さんの前で...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...「お嬢さん、お供いたしまして、お兄さんの前で、申しましょう」庄吉は、こういいながら、じっと、深雪の頬、襟足を眺めて、ついて行った...
直木三十五 「南国太平記」
...だから兄さんを大事にしなくっちゃあ行けないよ...
夏目漱石 「虞美人草」
...何も兄さんから聞かないだって妾(あたし)知っててよ...
夏目漱石 「行人」
...私は兄さんのために好い慰藉(いしゃ)を見出したと思いました...
夏目漱石 「行人」
...兄さんは「おやおや」という失望の声を放ちました...
夏目漱石 「行人」
...兄さんに親しい性質をもって生れて来たのでしょう...
夏目漱石 「行人」
...あれも頭が妙になつてゐて妾と兄さんの顔だけしか覚えてゐないのよ...
牧野信一 「鱗雲」
...兄さんは、な――柴田 (長男と次男のやりとりの間も、昂奮のためにガクガクと喘いでいたのが、欣二の言葉をたち切って)まあ、まあ欣二、いいから、お前は、いっとき、黙っていてくれ!(誠に)さっきお前は民族主義者はファッショの御用学者だ、という風に言ったが、もし私がホントにファッショの御用学者だとすれば、私も困る...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...お兄さんだって、そ言ってるわ...
森本薫 「華々しき一族」
...「江州での騒ぎから兄さんの身元には...
吉川英治 「新・水滸伝」
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