...「兄さんは、もう、出たの?」「出たのよ、直き歸ると云うて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「サックなんかいらねえったら」「駄目よ」とクララは立ち上って、俺を見おろして、「兄さんは、まさか、文士じゃないでしょうね」「まさか?」「文士じゃないわね」「まさかとは、なんだい」クララは黙って、足の向きを変えて、下へ降りて行こうとする...
高見順 「いやな感じ」
...兄さんも僕も、きょうは早く起きた...
太宰治 「正義と微笑」
...兄さんは二百圓の香奠をやつたさうだよ...
太宰治 「道化の華」
...投げ銭を受けることは本来この男の本芸であるが、今はホンの前芸にやって見せた手際(てぎわ)、その鮮(あざや)かさが、見物の気に入ったものらしく、「兄さん、怒っちゃいけねえ、それ、しっかり頼むよ」つづいてバラリと投げる銭の音...
中里介山 「大菩薩峠」
...「おい、兄さん、ちょっと待ってくれ」米友を呼び留めたけれども、米友は矢も楯も堪らなくなっていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし兄さんのいわゆる生き甲斐(がい)のある秋にもなったものだから...
夏目漱石 「行人」
...どうぞ教えてくれ」と兄さんが頼むのです...
夏目漱石 「行人」
...「あの山も谷も僕の所有だ」とか云った兄さんの言葉を想(おも)い出したからです...
夏目漱石 「行人」
...「兄さん私はこれであなたを兄さんらしくしたかったのです...
夏目漱石 「明暗」
...重太郎兄さんと仲が良く行くはずがないわ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「兄さん、これじゃサルコフ号に負けませんねえ...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...兄さんの顔を御覧なさい! あゝ可笑しい...
牧野信一 「心配な写真」
...当地へ来てから初めて兄さんの頼りになることが身にしみてわかった...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...野原に兄さんもかえって来たし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...兄さんや姉さんたちは自由にねだるし...
山本周五郎 「末っ子」
...ほんとに兄さん孝行ですこと...
吉川英治 「新・水滸伝」
...兄さんがラムをみんな飲んじまうぞ」ラムなら...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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