...野口君もけふは元禄袖(げんろくそで)の紗(しや)の羽織などは着用してゐない...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...然しきものは袖の簡略と美観を保つために元禄袖のように風流に仕立てたいと思います...
上村松園 「帯の巾が広すぎる」
...九太は元禄袖の八ツ口に手をつっこんで呆んやり廊下を歩いている伊代を呼び止め...
林芙美子 「帯広まで」
...元禄袖の花衣裳をつけて...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...元禄袖などと一緒に改良服というものが大流行した...
宮本百合子 「菊人形」
...殆ど大抵元禄袖になりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...千草を染めだした藍摺(あいず)りの、元禄袖の着物に、葛布らしい、白の奴袴(ぬばかま)をつけて、素足に半之助のとよく似た、革草履をはいていた...
山本周五郎 「山彦乙女」
...元禄袖の双子(ふたご)は一つ齢(とし)下の従妹(いとこ)を左右から囲んで坐つた...
與謝野晶子 「帰つてから」
...それから、お前、帆立貝の猿股(さるまた)を穿(は)いた象の脚、剃刀(かみそり)入れ、元禄袖、模範煙突(えんとつ)、羽根箒(はねぼうき)、これは棕櫚(しゅろ)の木、失敬...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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