...けれども岩見重太郎は如何なる悪徳をも償ふ位...
芥川龍之介 「僻見」
...不純な動機から來る混入物の醜さを償ふに足ることを希望するばかりだ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...「それでどういへば無責任にならないです?」「自分でその罪を償ふのだ...
泉鏡花 「海城発電」
...その不満も大抵は僅かばかりの小遣で償ふことが出来るのであつた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...やがてそれ等のすべてを償ふべき将来がはつきり自分だけには見えてゐた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...斯様な過ちは、今日まで何所でも随分数多く有つたであらう、また今後も時々あるであらうが、之は知識の足らぬため、先見の明の無いために起つたことである故、人智の進むと共に、追々同じ過ちを避けることも出来、已に過つたことは、之を償ふて、其の結果を取り消すことも全く不可能ではない...
丘浅次郎 「自然の復讐」
...また償ふ事の出来ない損失といはなければならぬ...
薄田泣菫 「茶話」
...償ふべからざる損失である...
薄田泣菫 「茶話」
...それでは以前十風にかけた損害を償ふ積りで病中の補助をしてゐるのであらう...
高濱虚子 「俳諧師」
...ままよ今までの贅沢を償ふ意味でも野宿しよう...
種田山頭火 「旅日記」
...鳥羽は私財の全部を提供することになつたがそれでも全額を償ふには足りなかつた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...』110 屍を償ふべきプリアモスの贈遺――これなくばアキリュウスの面目立たず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...之を償ふて餘りあるのみならず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...「金色夜叉の真相」と云ふ書はこの損害を償ふために病中に執筆されたものです...
永井壮吉 「出版屋惣まくり」
...以上の三つの事に於ける失敗を償ふというわけにはいかないが...
平田禿木 「趣味としての読書」
...此高を償ふがため...
福澤諭吉 「亞細亞諸國との和戰は我榮辱に關するなきの説」
...人間以上の高いところにそれを償ふべき力と癒すべき慰藉を求めさすやうにしてお上げなさいまし...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...棠軒は債を償ふことを得た...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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