...僻見(へきけん)の跋扈(ばっこ)等をいかにすべきか? 果してこれ等(ら)の故障に打勝ち得るか?』最後の必勝――人力は有限であるが...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...つまらぬ些事(さじ)に拘泥(こうでい)するものとし或(ある)ひは時勢(じせい)に通(つう)ぜざる固陋(ころう)の僻見(へきけん)とするものあらば...
伊東忠太 「國語尊重」
...僻(ひが)む訳ではないが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...まえ/\から家来どもがじぶんをばかにするという僻(ひが)みをもっていらっしゃるところへ...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...豈學に僻する所あるが爲ならずや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...然しながら此の土手を通ふ時は平生の僻んだ容貌がなくなつて唯そは/\と快げである...
長塚節 「おふさ」
...僅少(きんせう)な或(ある)物(もの)が彼(かれ)の顏面(がんめん)の僻(ひが)んだ筋(すぢ)を伸(のべ)るに十分(ぶん)であるのに...
長塚節 「土」
...もし世間が元日に対する僻見(へきけん)を撤回して...
「元日」
...これを主客顛倒と見るのは始めから自然は客であるべきはずとの僻目(ひがめ)から起るのである...
夏目漱石 「コンラッドの描きたる自然について」
...こう解釈したのはあるいは僕の僻(ひが)みだったかも分らない...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...こんな山間僻境(へききょう)であえなく一命を落すのかと...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...僻地の理髪店にあるやうな凸凹な鏡であつた...
牧野信一 「鏡地獄」
...詩は唐以上と言えるがごとき僻説(へきせつ)には同意するものにあらざるべけれど...
正岡子規 「俳人蕪村」
...強い僻みから逃れて来た美しい霊が...
松永延造 「職工と微笑」
...しかも地方僻遠(へきえん)の地で「翁」ほどの秘曲を理解し...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...僻地の村民と武者修業との生活關係にも...
吉川英治 「折々の記」
...默然と、敗戰後の瓦礫のあひだに、或ひは僻地に、つかれ呆けてゐる...
吉川英治 「折々の記」
...大漢四百年、その間の治乱には、必然、多くの門葉ご支族も、僻地に流寓し、あえなく農田に血液をかくし給うこと、何の歴史の恥であろう...
吉川英治 「三国志」
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