...石鎚山の中腹の黒川といふ人家の少ない僻村までたどりついた...
安倍能成 「初旅の残像」
...山間の僻村(へきそん)...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...僻見(ひがみ)か空想に過ぎない...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...北海道に於ける最も僻遠(へきえん)なる未開地に向うて我等の老躯と...
関寛 「関牧塲創業記事」
...世間では不具者は僻(ひが)みやすいという...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...首都とこの僻村との間には...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...こいさんが僻(ひが)み出して不良にでもなったらどうするか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...……私にしたかて今まで大分欺(だま)されたお蔭で僻(ひが)んでるとこあるねんし...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...「私の僻目(ひがめ)かも知れないが...
永井荷風 「すみだ川」
...僻(ひが)みであったり我儘(わがまま)であったりしたのではないかとさえ思われました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここに上野国から登山した並榎の竪者(りっしゃ)定照という者が深く法然の念仏をそねみ「弾撰択(だんせんじゃく)」という破文を作って隆寛律師の処へ送ると律師はまた「顕撰択(けんせんじゃく)」という書を作って「汝(なんじ)が僻破(へきは)の当らざること暗天の飛礫の如し」と云うたので...
中里介山 「法然行伝」
...このような僻すうの地に...
長谷健 「天草の春」
...手の暖い女に僻易するのだそうですから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...己の僻目でないなら...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...しかも地方僻遠(へきえん)の地で「翁」ほどの秘曲を理解し...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...蠶時は赤襷の姉さん冠りが優しい僻歌につれて左右に動くのが...
横瀬夜雨 「花守」
...ですから平家に限つてはあの壇の浦の最後が象徴するやうに全國の平家はいひあはせたやうに皆素直に山間僻地へ姿を隱してしまつてゐる...
吉川英治 「折々の記」
...默然と、敗戰後の瓦礫のあひだに、或ひは僻地に、つかれ呆けてゐる...
吉川英治 「折々の記」
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