...人間の意欲に働きかける為には...
芥川龍之介 「点心」
...孰れにしても自己の實現は社會に働きかけるにあらざれば完成しない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...さうしてこんな場合に於いては受身になる者よりも働きかける者の方が下等なのだ――と彼は腹立紛れにこんなことを思つた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...――それで火事はこれらの小さな石の城に働きかけるが...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...周囲に働きかけるわけではないことがわかるんだが...
高見順 「如何なる星の下に」
...善くうつくしい時流というものの働きかける魔法かも知れないが...
谷譲次 「踊る地平線」
...もう一度作者の頭に働きかけることによって...
寺田寅彦 「科学と文学」
...ある種の文学者らにしか働きかけるものではない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...男の肉感に働きかける恐ろしい武器と変じてしまったので...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...今は複雑なる構成体の一要素として自我が物に働きかける...
中井正一 「物理的集団的性格」
...兄さんの予期通りに兄さんに向って働きかける世の中を想像して見ると...
夏目漱石 「行人」
...すなはち主體は客體となることによつてはじめて客體に働きかけるのである...
波多野精一 「時と永遠」
...物事に働きかけることは愚か...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...過去や未来が我々に働きかけるというのも...
三木清 「哲学入門」
...プロレタリア作家が唯物弁証的把握によって自身の階級の当面の革命的モメントを正確に政治的に把握し得さえすれば――社会的矛盾における複雑活溌な相互関係とそれに対して階級として働きかけるプロレタリアートの革命性を具体的にとらえ得さえすれば...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...自分に働きかける総ての意志を掘じくり出すことに最大の生活を見いだした...
室生犀星 「愛の詩集」
...しかしその中(うち)にも働きかける側の表現の上手なこと――わけても鼻の先の気分の扱い方の巧(たくみ)なために...
夢野久作 「鼻の表現」
...何ら今日になつても積極的に郷土へ働きかけるところを見ないのは遺憾である...
吉川英治 「折々の記」
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