...決戦戦争の方向に傾きつつある...
石原莞爾 「最終戦争論」
...そして、それは、聡明で機敏なベエコンが自分自身の出世のためになして受けた損害を、短期で軽率なエセックスが巧みな外交辞令とともに賠償せざるをえなくなったような、傾きかたをした...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...法隆寺金堂の薬師にもその傾きはあるけれども夢殿の観音の方が甚しい...
高村光太郎 「回想録」
...日がよう/\西に傾きかけた頃で...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...多く頭脳(あたま)を使うような傾きもあった...
徳田秋声 「新世帯」
...蘆の枯葉蘆の枯茎蘆の枯穂ももろともにそよげる中の水たまり短き日あし傾きて早や立ちこむる夕霞遠き眺のけぶれるに水のたまりに黄昏の名残の空のたゞよへる鏡のおもに星一ツ宵の明星唯一ツ影あざやかに輝きぬ...
永井荷風 「枯葉の記」
...かくて年々農家の身上が傾き...
中谷宇吉郎 「雪」
...自分は父から評された通りだいぶ堂摺連の傾きを持っていたが...
夏目漱石 「行人」
...國語學と云ふと輕蔑する傾きがある...
南部修太郎 「猫又先生」
...ロンドン交響楽団を指揮した温雅(おんが)な美しさに興味が傾き(JW二九九―三〇二)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...軒は傾き、蛇腹は落ち、棟の下から大きな亀裂が電光形に壁の上を走って、その亀裂に沿って青苔が生えている...
久生十蘭 「魔都」
...傾きかけて光の褪(あ)せた陽の中に...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...そのとき巨大なバラが地上に傾き...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...これに反して誠らしき嘘は人を欺(あざむ)かんとする傾きありて不愉快なる者なり...
正岡子規 「俳句の初歩」
...概して言へば東洋の美術文学は消極的美に傾き...
正岡子規 「俳人蕪村」
...対象の個人の内部にだけ事件の入口と出口をもとめる傾きを導き出しますから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...激成するというような傾きを生じ兼ねない...
森鴎外 「食堂」
...まったく守備一方に傾き――...
吉川英治 「三国志」
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