...仙太は傍らからのぞき込んだ...
犬田卯 「競馬」
...すぐ傍らの炭壁の不規則な凹凸面には...
大阪圭吉 「坑鬼」
...碑の傍ら、地細長く開けて阿武隈川に俯し、白河の市街を隔てて旭嶽を仰ぐ...
大町桂月 「白河の七日」
...「それは悪い神学じゃ」師父ブラウンが持物を集めるために傍らをむいた時に...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...その傍らの路傍にはカニが遊んでいたそうである...
中村地平 「宮崎の町」
...たった今はがした間隙の傍らにある墓石の上に腰を下ろしました...
西尾正 「墓場」
...その時手すさびにしていた仕事を傍らへ押しやって...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...尚しかし恋の傍らといへるほどの若さと戯れにダンスをさへ弄ぶ快活さとを失つてゐなかつたのである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...数学などの普通学を露語で教える傍ら...
二葉亭四迷 「予が半生の懺悔」
...それから店の主人などを相手に他の本へ署名をせられたりしてゐたが、その傍らで、私はそのいただいた本を披らいて、なにげなささうにそのなかの插繪を見たりしてゐた...
堀辰雄 「「青猫」について」
...女の傍らでも眠らなかつた...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...それを私は鳥箱の傍らに並べた硝子の金魚鉢に放つて...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...稀大の荒武者の傍らに坐りました...
牧野信一 「捜語」
...光りにすかして車の傍らを見降すと...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...円かな夢路をたどつてゐる若い二人を傍らにして...
牧野信一 「東中野にて」
...傍らに控えていた老将に何やらいいつけると...
吉川英治 「上杉謙信」
...鹿之介の傍らへ寄って来た...
吉川英治 「新書太閤記」
...しかも、最早美女の施術は終ったのか、傍らの椅子に、ずらりと並んでいるのは、あまり人相のよくない男たちで、突然入って来た中野の方をじろじろ流し見ては、何か小声で囁きあっていた...
蘭郁二郎 「地図にない島」
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