...おいそれとは判るまいよ」「それじゃ偽首じゃありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...漸(ようや)く聟入りの偽首になることを承知させたのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...祝言は多賀屋の身代にしては出来るだけつつましやかに、当日の客は余儀ない親類を五六人だけ、聟入りもほんの型ばかりということにして、偽首の八五郎が、仲人(なこうど)宝屋祐左衛門(たからやゆうざえもん)夫婦に護(まも)られ、駕籠(かご)の垂れを深々とおろして、多賀屋へ乗込んで行ったのは、秋の宵――酉刻(むつ)半(七時)そこそこという早い時刻でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...三三九度は偽首じゃ勤まらないよ」ガラッ八は後ろから抱きすくめるように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...三年経って帰って来た偽首を屋敷中の者が皆んな気が付かないはずはない」「…………」平次の論告に圧倒されて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あれはどうしたことか」「元より偽首(にせくび)でありました」「なに...
吉川英治 「黒田如水」
...偽首であったと」「はい...
吉川英治 「黒田如水」
...――それを以てもこの首の偽首なること...
吉川英治 「三国志」
...「これは偽首ではございませんぞ...
吉川英治 「三国志」
...偽首だ、身代りだった、とはすぐ知れていただろう...
吉川英治 「私本太平記」
...もとよりそれは偽首(にせくび)だった...
吉川英治 「私本太平記」
...偽首と分ったあとの空々(そらぞら)しい敗北感はいつまで後味わるく尾をひくものであった...
吉川英治 「私本太平記」
...勝家の帷幕(いばく)にあり、越軍の名だたる武将のうちの、国府尉右衛門、吉田弥惣、太田内蔵助、小林図書(ずしょ)、松村友十郎、浅見対馬守入道道西、神保若狭(じんぼうわかさ)、同八郎右衛門などが、狐塚から柳ヶ瀬の突地にわたる路上で、相次いで斃(たお)れ、その首級を、堀隊、小川隊、黒田隊、藤堂隊などの羽柴方の勇士の手に克(か)ちとられたことは確報にちがいなかったが、誤報については特に、「大将勝家と見えたるは、偽首にて、北ノ庄の小姓頭、毛受勝助の身代りに立てるものにて候う」と、秀吉の前に堀久太郎秀政自身、釈明(しゃくめい)に来た...
吉川英治 「新書太閤記」
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